これまで坐骨神経痛について調べてきました。知れば知るほど苦しい症状だという事がわかってきました。
そして今回は坐骨神経痛になる原因として『うつ病』が関係あるのかどうか、また逆に『うつ病』が原因で坐骨神経痛になる場合はあるのかについてまとめてみます。
Contents
まずは結論!坐骨神経痛によってうつ病になる可能性はある!
身体の痛みによるストレスはうつ病を引き起こす可能性があります。
これは坐骨神経痛についても同じことが言えます。
なので、坐骨神経痛を患っている方はうつ病になりやすい、と思っていてもいいでしょう。
では、詳しく解説していきます。
うつ病とは?

うつ病の患者数は近年増加しており、最近の調査では104万人もの方がうつ病を患っているといいます。
また7人に1人は一生のうちにうつ病にかかるとの調査報告もあります。
⇒参考:内閣府『障害白書』
うつ病とは、単に気分が落ち込んだり、やる気がでないというようなことではありません。うつ病は、それ以上のもので、自分では原因がわからなくても、苦しい状態が長く(2週間以上)続きます。
「うつ病」になる原因は?
その原因ははっきりとわかっていないのですが脳の神経の伝達物質の働きが関係しているようです。
- ストレス
- 体の病気・痛み
- 環境の変化
などの様々な余韻が重なって『うつ病』を発症するといわれています。
『うつ病』の症状の現れ方によってこのように分けられる
『うつ病』の症状は大きく2つに分けられます。
- 『単極性うつ病』…うつ状態だけが起こるものを単極性うつ病と言います。
- 『双極性うつ病』…うつ状態と躁(そう)状態の両方が起こるものを双極性うつ病といいます。
『うつ病』の特徴的な病型とは?
特徴的な病型によってこのように分けられます
- 『メランコリー型』…様々な仕事や責任役割に過剰に対応しすぎて脳のエネルギーが枯渇してしまうもの。特徴はよいことがあっても気分が晴れない・食欲不振・過度の罪悪感などがあげられます。
- 『非定型』…よいことがあれば気分がよくなる。食欲は過食の傾向があるため体重も増加傾向。他人からの批判に過剰である。
- 『季節型』…特定の季節や季節の変わり目にうつ病を発症し、また季節の移り変わりの時によくなっていくもの。
- 『産後型』…産後4週間以内に発病するもの。ホルモンの変化・分娩の疲労・子育てへの不安や睡眠不足など不健康な要因が重なることが影響していると言われます。
うつ病は、気持ちの問題ではないため、気力で解決できるものではありません。
治療が必要な病気なのです。
坐骨神経痛が原因でうつになる場合はあるの?
うつ病について少し理解していただけたと思います。
では今回の本題、坐骨神経痛が原因でうつ病になることについてです。
初めにも言った通り、実は坐骨神経痛が原因でうつ病になることはあります!
多くの慢性痛は自律神経がかかわっている!?
実は、慢性的に続く体の痛みによって心が病んでしまうという事です。
心と身体は密接な関係性があります。
身体にダメージが蓄積してしまうと精神的な部分がコントロール不能となってしまうことが分かっています。
私たちの身体は自律神経の働きによって正常に生活することができています。
自律神経は内臓や血管の動き、呼吸や発汗などをコントロールしています。
自律神経の働き

一般的に交感神経とは体が頑張っているときに働きます。人間のオンの状態ともいえます。
反対に副交感神経は体を休めているときに働きます。人間のオフの状態です。
本来は交感神経と副交感神経が交互にバランスよく働くのですが、何らかの原因でバランスが崩れてしまうことがあります。
自律神経のバランスが乱れると身体もうまく機能することができなくなります。
自律神経が乱れる原因については【まさに現代病】自律神経失調症とはどんな病気かを懇切丁寧に解説!こんな症状が当てはまるなら要注意で詳しく解説しています。
坐骨神経痛と自律神経の関係
坐骨神経痛の原因は主に筋肉の緊張やストレス、脊柱管狭窄症などがあげられますが、これらは交感神経が働いているときの状態(筋肉の緊張・血管の収縮)と同じです。
そして本来なら、交感神経が働いたあとに副交感神経が働いて筋肉の緊張を緩めたりストレスを緩和したりします。
そのため坐骨神経痛の症状もそれほど悪化しないのですが、交感神経ばかり働いていると緊張状態が続きます。
この緊張状態が坐骨神経痛の症状を悪化させてしまうのです。
また、痛みは血液中の酸素不足が原因で引き起こされるともいわれています。
交感神経が異常に働いている状態は血管を収縮させたり筋肉を緊張させたりしてしまいますから、酸素がいきわたりにくくなり、痛みが強く出てしまうのです。
逆に、うつ病が原因で坐骨神経痛になる場合はあるのか!?
では、うつ病が原因で坐骨神経痛になることはあるのでしょうか?
うつ病で痛みが生じる理由は、まだ明確には分かっていません。
しかし現段階での考えでは、「モノアミンが少なくなると、痛みを感じやすくなる」ことが原因だと考えられています。
※モノアミンとは…?モノアミンとは気分に関係する神経伝達物質のことでセロトニンやノルアドレナリン、ドーパミンなどの総称です。これらが少なくなると、落ち込んだりやる気が出なくなったりといったうつ症状が出現するのです。
うつ病は、脳内のモノアミンが少なくなる事が発症の一因だと言われています(これを「モノアミン仮説」といいます)。
このモノアミン、実は気分だけでなく「痛みを抑える」働きもあることが解明されてきています。
うつ病で痛みが生じるのはモノアミンが減少することにより、痛みを抑える力が落ちてしまうためだと考えられています。
体験談
いかがでしたか?
うつ病と坐骨神経痛には密接な関係があることが分かりました。
ではここで体験者さんのお話を見てみてください。
私は神経痛に悩まされていました。肩、首、腰、背中が痛み、整体師に診てもらうと周りに気を遣いすぎて、筋肉が緊張し、神経を使っているから痛むのだということでした。それから、最初は週に1回、だんだんと良くなって2週に1回のペースになったのですが、現症状より良くならない、つまり痛みは軽減されても完全に痛みがなくならない、治らないのです。
私は仕事のストレスもあり、精神科にも通いだしたのですが、そこでうつ病と診断されました。うつ病は精神の病気だけだと勘違いされますが、神経の病気でもありました。うつ病によって本来分泌される液がで出ないから、背中や首、肩が痛くなる人がいるそうです。私もそうでした。つまり、私の神経痛の原因はストレス、うつによるものだったのです。
思うに、鬱で、会社長期休暇中の患者様方の共通点は、踝の上の処から入る「冷え」にやられている事。毎晩のように脹脛が攣ったり、慢性腰痛や、坐骨神経痛を患っているのも、入浴等でしっかり身体を温める事を知らなかったり、また出来ていなかったりする為ではないか?
— 浅草・三筋の招き猫 (@MisujiKaifukudo) 2015年5月7日
割と深いうつ状態だったときに椅子に座れない程度の坐骨神経痛を患った。これはうつに伴う疼痛だったと今は思う。当時抗鬱剤をたらふく飲んでおり、まったく疼痛が治らなかったことを考えると、私には抗鬱剤が効かないのではないかと思う。
— 不惑の狩人@腰痛持ち (@tosca_fuwaku) 2014年8月4日
感想
坐骨神経痛の痛みが慢性化してしまうと、坐骨神経痛とうつ病の負のスパイラルができてしまうという事が今回の調べで分かりました。
ですので痛みが慢性化しているな、と感じたらうつ病のチェックしてみたほうがいいなと感じました。
原因を早期に見つけて対処していただきたいと思いました。


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