『坐骨神経痛になってとにかく痛くてたまらない!どうにかこの痛みを少しでも和らげたい!
医者はお風呂に入は入らないほうがいいと言っていたが、本当に入ってはいけないのか?』
『坐骨神経痛の激痛は収まったけれど、まだ慢性的に痛みを感じる。時々襲ってくる痛みにストレスもたまってしまう…。
そんな時お風呂に入るのは効果的なんだろうか…?』
今回はそんな方々に対して
『坐骨神経痛の症状があるときにはお風呂に入っちゃダメなの?』
『お風呂に入ることは痛み緩和に効果はあるの?』
という疑問にお答えします。
そして坐骨神経痛時の上手なお風呂の入り方についてもまとめました。
Contents
坐骨神経痛の症状とは
まずはじめに坐骨神経痛のおさらいです。
坐骨神経痛について簡単に説明すると、坐骨神経痛は大きく分けて3つに分けられます。

- 筋肉の圧迫による痛み(梨状筋症候群(りじょうきんしょうこうぐうん)など)
- 椎間板ヘルニアによる痛み
- 脊柱管狭窄症(せきちゅうかんきょうさくしょう)による痛み
この3つの症状について詳しくはこちらの記事をご覧ください。
⇒坐骨神経痛の事1から10まで教えます!主な症状と3つの原因【まとめ】
坐骨神経痛の時【温める=お風呂に入ること】は効果的
坐骨神経痛は筋肉の血行が悪く、収縮がうまくできなかったり神経の圧迫によって痛みが生じることが多いのです。
また冷えも坐骨神経痛を悪化させます。ですので血行を良くすると楽になることも多いです。
⇒寒さと腰痛の意外な関係性を知ってる?4つの原因と対処法【まとめ】
『血行をよくすることで楽になる』という事はお風呂で患部を温めることは効果的だと言えます。
お風呂に入ると血行がよくなりますね。
血行が良くなることで酸素がいきわたり、栄養成分が患部にも巡るため老廃物や痛みが取り除かれると考えられています。
なので、坐骨神経痛の痛み緩和にはお風呂に入ることはとても有効なのです。
ですが、ちょっと待ってください!!
坐骨神経痛の症状によってはお風呂に入らないほうが良い場合があるのです!!
お風呂で温めてはいけない坐骨神経痛の症状 ポイントは…
1)炎症があるとき

実は温めることで症状が悪化したり痛みを増長させてしまう事があります。それは炎症があるときです。
炎症はぎっくり腰のように、急性の腰痛時の痛みの原因となるものです。鋭い激痛を感じるものはほとんど炎症によるものだと考えられます。
患部が炎症を起こしているときと言うのはつまり熱を持っている時。
この場合は冷やすことが効果的です。
※炎症の場合はお風呂に入って温めると、さらに痛みがひどくなるのでご注意ください。
2)病気からくる坐骨神経痛の場合

病気がもとで坐骨神経痛の症状が出ている場合は、温めることでウイルスやウイルスの働きを増長させてしまうことがあります。
ですので、病気がもとで坐骨神経痛を患っていることが明らかな場合は、医師に相談してからお風呂に入るようにしてください。
ではお風呂の入り方について詳しく見てみましょう。
坐骨神経時のおすすめ入浴法
1)入浴時間

坐骨神経痛時の入浴時間にはポイントがあります。
長湯しない・すぐ上がらない
坐骨神経痛時は長湯してしまうと、入っているときは痛みが緩和されて気持ちいいのですが、体が温まりすぎると体の調節機能が体を冷やすように働くので翌日が痛くなる場合があります。
また、からすの行水もよくありません。なぜなら入っている間だけは身体の表面は温まるのですが、すぐに冷めてしまうからです。身体が冷えると坐骨神経痛の症状は悪化してしますため、ますます傷みが激しくなると考えられています。
ではどのくらいの時間入るのが効果的なのでしょうか?
40℃前後 15~20分がベスト
身体を温める(特に患部)ためには40℃前後でしっかり15~20分入りましょう。すると入浴後も体温が下がりにくいです。
最初はぬるめの湯に浸かり、徐々に温かくすると患部への刺激が少なくて済みます。
2)入浴時の姿勢について
家庭用の浴槽での入浴の場合、体を前にかがめて入る事が多いと思います。
しかし前かがみの姿勢は坐骨神経痛にとってはよくない姿勢です。特に椎間板ヘルニアによる坐骨神経痛の場合は前かがみや体育すわりをすると痛みが強く出ることがあります。
そのようなときは湯船用の腰かけを使用すると少し楽に入ることができます。できれば背筋を伸ばし、骨盤を立てるようにして座りましょう。
また、腰かけがない場合は正座の姿勢がよいと考えられています。
正座は床で座るときにも一番楽な座り方であると言われています。
なぜなら正座は最も重心が安定することや前後左右に体重が偏らないため、患部への負担が少ないと言われているからです。
正座をするときも骨盤を立て背筋を伸ばすようにすると痛みが和らぎます。
※症状によっては正座をすると症状が悪化する場合もありますのでご注意ください。
3)浴槽に塩・みかんの皮を入れて入浴する

浴槽にひとつかみ食塩を入れて入浴するのはおすすめの入浴法です。
塩の成分である塩化マグネシウムや塩化カルシウムが肌の表面に付着し、水分の蒸発を防いでくれますので、入浴後いつまでもぽかぽかしていて体を冷やしません。
※洗い流すと効果が無くなりますので、塩入りのお湯に入った後は洗い流さないようにしましょう。
また、みかんの皮(生でも乾燥したものでも可)を入れての入浴も効果的です。
みかんの皮は『陳皮』ともいわれ、漢方としても使われています。その効果は保温とリラックス効果です。
みかんの皮にはリモネンと言う精油成分が含まれていて、血行促進の作用や保湿作用があり、身体をぽかぽかにして湯冷めを防いでくれます。
またその甘い香りやリラックス効果をもたらします。
また、両方入れることもおすすめです。
塩とみかんの両方を入れた『塩みかん風呂』にすると入浴後温まった体温を約50分も維持してくれるのです。
Wの保温効果とリラックス効果が期待できます。
温泉(銭湯)のススメ

温泉や銭湯には家庭用のお風呂とは違って、さらにいろいろなメリットがあります。
- 温泉成分が坐骨神経痛によい(温泉の場合)
- 広々しているのでリラックス効果が高い
- 楽な姿勢を取りやすい
1.温泉成分が坐骨神経痛によい(温泉の場合)
温泉の泉質は坐骨神経痛の症状を緩和してくれます。
お風呂に入るだけでも血行をよくしてくれますが、さらに良い成分も体内に取り入れられます。
坐骨神経痛時に特によいとされる泉質には、硫黄泉、食塩泉、炭酸泉、重曹泉、単純泉などがあります。
2.広々としているのでリラックス効果が高い
家庭のお風呂と違って広くのびのびとしているのでリラックス効果が高いです。
また、露天風呂からの景色は気持ちも安らぎますね。
実はストレスは坐骨神経痛を悪化させてしまう原因にもなります。ですので温泉のリラックス効果はとても期待大です。
その腰痛、ストレスが原因かも!?多いストレスと腰痛の関係と対処法【まとめ】
3.楽な姿勢を取りやすい
家庭のお風呂は窮屈に体をかがめて入るようになりがちですが、温泉の浴槽は広いので足を投げ出すことができます。
坐骨神経痛の時の座り方は正座が一番いいのですが、足を投げ出す座り方もとても楽な姿勢なのです。
また、温泉施設の浴槽は腰を掛けるような段差があるところが多いので、腰に負担をかけない座り方がしやすいのも利点です。
でも温泉にはなかなか行けないという場合はドラッグストア等で売られている入浴剤を利用するのも効果的です。
まとめ
…と言うわけで坐骨神経痛時にお風呂に入る事についてまとめをします。
- 坐骨神経痛時は慢性の場合はお風呂に入ることは効果的。急性の痛みの時には入らない、専門家に相談する。
- 入浴の温度は40℃前後、時間は15~20分くらい。早く上がりすぎても長湯しすぎてもよくない。
- 入るときの姿勢はできれば体を前かがみにしない座り方で入る。湯船用の椅子があればそれを使う。なければ無理のない範囲で正座をすることもおススメ。
- 浴槽に塩やみかんの皮(入浴剤)を入れるとさらに効果的
- 温泉は家庭のお風呂以上の効果がある
それぞれの症状に合わせ、また体に応じてお風呂や温泉に入るようにしましょう。
くれぐれも無理しないようにお風呂や温泉(銭湯)を上手に利用してみてくださいね。


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