統合失調症患者の自殺率は10%。なぜこんなにも高いのか理由を調べてみた

統合失調症患者の自殺

はじめに。

掲載記事は個人的な考え見解です。また事例や体験談も個人の感想によるものでいずれも万人への効果、変化を保証するものでないことご理解ください。

取り扱い時は医師または専門医にご相談するなどして各自でご判断ください

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JUNICHI

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僕の1番仲が良かった親友は32歳の時に統合失調症が原因で亡くなりました。特に何ができるか分からない。どうやって関わっていいか分からない。たぶんすぐに治るだろう。そんな風にしているうちに、亡くなりました。『もっとあの時、統合失調症について詳しく知っていたら助けられたかもしれない。』そんな思い・後悔は親友の死後1年経っても無くなりませんが、今は統合失調症について勉強しています。

僕の1番の親友は32歳の若さで亡くなりました。統合失調症でした。

よく、統合失調症の方が命を落としてしまった、というお話を聞きます。それがまさか僕の一番近い、一番仲がいい親友のところに起きるなんて思ってもいませんでした。

僕の友人の場合、自殺ではなく心筋梗塞だったとご家族には聞きました。

ですが、自殺だった可能性もあります。仮に自殺だったとしても、その理由を知りたくても、本人からはもう聞けません。

そんなにも怖い病気だったなんて知りませんでした。

 

もしも、あの時もっと統合失調症について知っていたら、勉強していたら違った結果になっていたかもしれません。今も彼は生きていたかもしれません。

1年以上経った今も後悔の気持ちが大きいです。

ですが、僕はこれから僕の親友と同じように統合失調症で今苦しんでいる方のためにも、そして統合失調症患者の方の近くで支えているご家族や周りの方のためにも、もっと統合失調症について理解を深めていってほしい。そして救える命があるなら救ってほしいという気持ちで、記事を書かせていただきます。

 

今回は、どうして統合失調症患者の方の多くが自殺をしてしまうのか?という事について調べてみました。

1.統合失調症患者の自殺率は約10%

今回は、とても重い話になりますが、統合失調症と自殺との関連についてみていきたいと思います。統合失調症と自殺は、とても残念なことですが、密接な関係にあり、これは真摯に吟味し向き合う必要のある問題であるといえます。

自殺率と自殺者数の実態

一般には統合失調症の患者で亡くなった方のうち10%が自殺によって亡くなっていると言われています。

詳しいソース(統計データ)は見つけられませんでしたが、多くのサイトが統合失調症患者の自殺率が10%ということを記述していることから、その数字に近いことは事実であろうと思います。

De Hertらの総説によると、統合失調症患者の約10%が自殺している。統合失調症患者の自殺率は人口10万人当たり350〜650という報告が多く、一般人口の自殺率よりも30〜40倍高い。

Open to Love様 『統合失調症患者の自殺』より引用

 

日本国内では、全人口の1%が罹患(りかん)する統合失調症患者は、統計上に表れない潜在的な患者数も含めると日本国内で約100万人いると考えられています。

なので、数字上ではおよそ10万人が自ら命を絶っているということになります。その規模から考えても、非常に重大な問題であるということが言えるでしょう。

そもそも、日本は年間約3万人前後が自殺をする、自殺大国と言われていますが、この約3万という数字は公的機関に「自殺」と認定された死の総数です。遺書のようなものがあれば誰にも分かりやすいですが、人にはさまざまな死のかたちがあり、真実を知っているのは、結局亡くなった本人だけだといえます。

行方不明者や変死のうち、自殺である人もいるでしょう。恐らく、年間3万人よりもずっと多いというのが現実だと思いますし、何をもって自殺とするのかということはなかなか簡単に線引きできる問題ではありません。

社会の病ゆえの複雑さ

統合失調症の原因は解明されていないが「素因」と「環境」の2つの影響によって発症するという記事にも書いた通り、統合失調症になる原因はとても複雑です。

複雑な成り立ちを持つ精神疾患においては当たり前のことですが、統合失調症の症状そのものが自殺を引き起こしてしまうなんて単純に説明できるものではありません。

 

  • 病があり、
  • その病と共に生きる生活習慣があり、
  • 人間関係があり、
  • 社会的な関わりがある

 

前述したように、統合失調症は社会の病なのです。

いずれにしても、この10%、10人に1人という数字を高いとみるか、低いとみるかは人それぞれですが、病に対する理解を深め、なぜ死を選ぶに至るのかという部分を考えていくことが最も重要なことです。

 

統合失調症患者はなぜ自殺してしまうのか?理由を考えてみましょう

このような前提条件を踏まえたうえで、統合失調症患者の主な自殺の要因についてみていきたいと思います。

陽性症状の影響

統合失調症の基礎知識についての記事でも書きましたが、統合失調症では、うつ病など他の精神疾患にも広くみられる「陰性症状」に加え、統合失調症には「陽性症状」があります。これはあるはずのないものが現れる症状のことで、幻覚、幻聴、被害妄想などを指します。

つまり、本人の意識とは裏腹にいわゆる「内なる声」に命令されて自殺に追い込まれることがあるということです。これは、実際にそのような状況になった当人にしか分からない非常に恐ろしい体験です。

実際に、統合失調症を患って自殺未遂を繰り返していた方のブログでもこのように書かれています。

ところで、なぜ、統合失調症から自殺しようとしていたというと、
統合失調症の妄想の症状が酷く、
・自分が死なないと、戦争が起こってしまうのではないか
・自分が死なないと、家族を人質に取られてしまうのではないか

などなど、自責の念が強すぎて、ひっくり返ってしまってるのです。

ryo.nagoya様「統合失調症をきっかけに自殺(未遂)をしてしまうのに困ってる人へ 」より引用

このような感情・思いは実際に経験してみないと想像すらできないことだと思います。

 

陰性症状の影響

うつ状態である「陰性症状」もやはり自殺願望につながるものです。日本における自殺者の9割がなんらかの精神疾患を患っているという統計もあります。明日を迎える元気も希望も感じられないという陰性症状による自殺は、究極の無気力の帰結であるといえます。

認知機能障害の影響

統合失調症の症状である「認知機能障害」のために、仕事をしたり、何らかの社会的役割を担うといったことが難しくなります。

その結果、『自分は何の役にも立たない無意味な存在なんだ…。』と感じてしまう人は少なくありません。

自分の為に家族や身近な人たちが苦しんだり、あるいは疎まれたりすることは非常に辛い事ですもんね…。

 

生活習慣の影響

また病気なので思ったようにお仕事ができず、経済的にも苦しくなり暮らしの質が落ちていくという事も考えられます。

そこで実家などの家族のケアを受けられない人は、まともな食べ物を摂らない、風呂にも入れないし掃除もできない、といった日常のあり方の蓄積から生活習慣病を併発したりします。

また治療に用いられる抗精神薬の副作用に悩まされることも多くあります。

 

自殺をしないためにはどうすればいいのか

ハート

自殺の危険の予測は難しい

統合失調症の治療に携わる医師においては、突然の自殺で患者を失って驚くということが少なくないそうです。医療のプロである医師にとってでさえ、統合失調症患者の自殺の危険の予測は難しいのです。

これには幾つかの理由が考えられます。まず、統合失調症においては、うつ病のようには病の重さと自殺の危険度に相関性がないからです。例えば、初期の急性期の陽性症状が簡単に死に直結する危険があるということです。

また、たとえ長期間治療をして良くなっても、それまでの社会的地位や人間関係を全て失い、現実に直面した時の大きな苦しみの前に死を選ぶ場合もあるし、統合失調症患者においては健康な人と比べると生と死の境界線があいまいな人もあるのです。

こうした事情を踏まえ、自殺の危険を回避するよう、本人も周囲の人間も考えていく必要があります

『統合失調症の本人』ができることは何か?

統合失調症の患者においては、何らかの方法で自殺を試みる人は実に全体の50%にものぼると言われています。試みずとも、死にたいくらい辛いと感じる人はほぼ全員なのではないでしょうか。

世の中にはさまざまなアドバイスがあふれています。しかしそれらは、苦しみのただ中にある当事者にとってはどれも言うがやすしであることでしょう。

ただひとつ言えることは、衝動的に死を望む気持ちは病気の症状のせいであるということです。

統合失調症は治療できる病気だと理解しておく

急性的な症状に関しては医師の処方する抗精神薬である程度コントロールができること、そして統合失調症は治療することができる病だということを理解しておくことは大事だということです。

その上で、今はブログやSNSも発達した世の中ですから、当事者同士がつながって体験を共有したり、病を克服した人に相談することも可能です。

 

『周囲の人』ができることは何か

統合失調症の患者を支えるのは、家族や身近な友人知人、医療関係者にとっても決して簡単なことではありません。

家族は長年のストレスの結果、自分自身も病んでしまうケースも多くあります。

医療者との連携を密にし、病に対する知識を身につけ、情緒に振り回されるのではなく、現実を見て落ち着いて対処していくひき出しを多く持っておく事が生命線となるでしょう。

参考資料:WHOによる自殺予防の手引き

 

まとめ

例えば、こういったことが何となく信じられています。

  • 自殺したいしたいと言っている人に限って実行しない。
  • 一度危機的状況を脱したら二度と自殺の危機は起きない。
  • 患者に自殺について問うと、却って自殺行動を引き起こす。

これらは全て誤解であり、誤った認識です。

統合失調症の方の自殺は衝動的で止められないことも多いのが事実です。
統合失調症と自殺行動の危険の関連は、非常にデリケートでシリアスなものだからこそ、正しい知識と熟練した臨床家のサポートが不可欠です。

今回の記事が、統合失調症で今もなお苦しんでいるあなたへ、

そして統合失調症患者の方を支えるご家族・周りの方に参考になれば幸いです。

 

 

 









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僕の1番仲が良かった親友は32歳の時に統合失調症が原因で亡くなりました。特に何ができるか分からない。どうやって関わっていいか分からない。たぶんすぐに治るだろう。そんな風にしているうちに、亡くなりました。『もっとあの時、統合失調症について詳しく知っていたら助けられたかもしれない。』そんな思い・後悔は親友の死後1年経っても無くなりませんが、今は統合失調症について勉強しています。