パニック障害の人は暑くもない、スポーツしたわけでもないのに大量の汗をかく事があります。
これは何が原因でどうしておこるのでしょうか?
今回は、この原因と対処法を詳しく見ていきたいと思います。
Contents
パニック障害による発汗のメカニズム

パニック障害でおこる発汗の種類を見てみましょう
大量の汗
噴き出すような汗
流れるような汗
冷や汗
手、足、脇などにべったりとかく汗
※どの汗も、脂汗のようにじっとりと不快感を伴う
これらの汗は、どんな時に出るのでしょうか?
- 特定の人の前に立った時
- 近しい人以外との会話中
- 商談中
- 会議の前
- 「すごい汗かいているけど大丈夫?」と聞かれてさらに出る
- 電車の中
- レジ待ちの列で※緊張が高まるとともに発汗する
- 歯医者の治療中
- 美容院でカット中
- 人混みの中
パニック障害の汗がでるのは、緊張したり、その場を離れにくい状況など。
そんな特定の状況であることが多いのです。
そして、パニック障害の発汗で極めつけはこれ。

なんとなく不安を感じて。
パニック障害の方の多くが、朝起きてみたら汗で全身がびっしょり濡れていた、という経験をされています。
これは、日々の不安感から、寝ている間にもその不安感をとらえ、全身が緊張状態に陥ることによるものです。
寝ている間の事なので、さらにコントロールすることが難しいのです。
こういう日は、寝ている間も緊張が続いているので、疲れが取れていません。
疲れが残っていると、セロトニンが不足しますので、さらにストレスがたまるというような悪循環に陥ることがあります。
こういう時は、日中に運動をしたり、気分をすっきりさせるなどして、寝付くときに不安を残さないようにしましょう。
運動については今日から気楽にできるパニック障害に効く運動を4つ紹介も参考にしてみてくださいね。
この、「何となく不安を感じる」ことが多いのもパニック障害の特徴です。
よくわからないけれど、じっとりと手のひらに汗を握っていた、という時は何でもない日常の一こまを不安ととらえてしまっていると考えられます。
何でもないことが不安に結びつくのは、セロトニンの不足が考えられます。
セロトニンを増やす行動を増やしてみましょう。
散歩で少しお日様にあたる、楽しいことをする、美味しいものを食べるなどが有効です。
また、セロトニンを増やすには食事が効果的です。
食事については食生活を変えれば変わる!パニック障害の人にオススメのレシピも参考になると思います。
普通の汗とパニック障害による汗の区別はどこでつける?

汗と言ってもいろいろあり、パニック障害の汗が特殊な汗というわけではありません。
しかし、次のような特徴があります。
- じっとりまとわりつくような不快感を伴う汗
- 不安や緊張を伴う場所といった限定的なシチュエーションで出る汗
- 冷たい汗(顔面蒼白や体温低下を伴う)
- 普通の汗とは明らかに違うと感じる汗
- パニック発作時に起こる症状を伴う汗(めまい、動悸他)
※パニック障害の時に現れる症状は【わかって】パニック障害とはなにか?その症状と原因を徹底解説!【強烈な不安と恐怖】に詳しく解説しています。
スポーツや、気温上昇に伴う汗がサラッと爽やかな印象があることに比べて、パニック障害の汗はじっとり、べったり、といったネガティブイメージが強いと言えます。
パニック障害の発汗はなぜ起こる?

パニック障害の発汗、といっても、そのメカニズムは日常生活で汗をかくメカニズムと同じです。
しかし、パニック障害の人は、その「汗をかくシチュエーションを不安感から作り出してしまう」のです。
具体的に見ていきましょう。
発汗には次の3つの種類があります。
- 温熱性発汗:気温の上昇、運動などにより全身にかく汗。生理現象として起きます。
- 精神的発汗:極度の緊張、興奮、神経質な人のかく汗。顔、手の平、脇、足の裏にかくことが多い。あぶら汗ともいわれる。
- 味覚性発汗:辛いもの、酸っぱいものなど、刺激の強い食べ物を食べたときに顔面を中心に一気に噴き出す汗。
このうち、パニック障害の発汗は②になります。
極度の緊張や不安から、ノルアドレナリンが大量に分泌され、交感神経が優位となります。
このことが、さらに身体の緊張や興奮を高め、不安感の増加、発汗、動悸につながっていきます。
それを他人に指摘されたり、「見られている」と考えるとさらにノルアドレナリンの放出につながり、動悸、発汗を増すことになるのです。
また、予期不安も精神的発汗につながります。
予期不安は、まだ起きていないことに対して強い緊張を感じ、不安を増大させていくので、ノルアドレナリンを大量に放出します。
同じように、広場不安も極度の緊張状態になりますので、やはり、ノルアドレナリンの大量放出につながります。
この時、ノルアドレナリンによって起こされる現象は発汗だけではありません。
動悸、息苦しさ、締め付け、めまい、その他の様々な症状が同時に起こります。
この状態がパニック発作ですね。
大量の汗、吹き出す汗、止まらない汗・・・これらはパニック発作の一部なのです。
汗を止める・汗を出ないようにする、その対処法はあるの?
パニック発作による発汗ならばしばらくすれば止まります。
(逆に、しばらくたっても止まらない場合は別の病気かもしれません。)
パニック発作による発汗は、必ず良くなります。
パニック発作による発汗を抑えるために。5つの鉄則。
- 今流れ出ている汗はしばらくすれば治まります。
- 不快な汗は、パニック障害の緩和によって必ず減っていきます。
- 不安な気持ち、極度の緊張が減ってくるとともに、不快な汗も減っていきます。
- それまでは、いつでも汗をぬぐえるようにしたり、こまめに手を洗ったりして気分をすっきりさせましょう。
- 大量の汗を流していても、他人は『たくさんの汗をかいているな』という現象だけを見ています。あなたを見ているわけではありません。大量の汗をかいていても、誰かを不快にさせていると必要以上に考えなくていいのです。
まとめ

パニック障害に伴う発汗は、気分的な不快を伴います。
じっとりとまとわりつく汗にさらに不安や、不快な気持ちを募らせることでしょう。
しかし、パニック障害の緩和により、徐々にその汗が減っていくことに気付くと思います。
パニック障害が良くなってきたならば、その嫌な汗もかかなくなってくると経験者は語っています。
いま、汗に苦しんでいても、必ず良くなります。
汗に対して、ネガティブなイメージを持つことをやめ、淡々と、「汗が出てるな。」と受け止めるところから始めてみてはいかがでしょうか?
「汗」はたんなる「現象」です。
タオルで拭ったり、洗ったり「対処」できます。
みんな汗をかき、いい汗も悪い汗もみーんな汗です。
たくさん汗をかいたって、特別に迷惑をかけたりしません。
どうぞ気楽に考えてみてくださいね!


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