運動がいいのはわかっているけどできない。
着替えてまで、外に出るのが面倒だ。
パニック障害の発作を経験すると、どんどん外に出て身体を動かすことが億劫になりがちです。
運動をすれば、心臓がドキドキします。
そのドキドキがどんどん高まって、『パニックを起こしてしまうのではないか?』という不安に変わっていってしまうからです…。
だから、運動せずにじっとしていよう…。こう思うのです。
ですが、運動こそパニック障害にとても良く効きます。なぜなら、運動をして心臓を鍛えることは、病気の克服にいい影響を及ぼすからです。
心臓を鍛える=適度に運動をすると血流が良くなるのです。
そこで今回は、パニック障害に効果的な運動について詳しくお話します。
Contents
パニック障害の時はどんな運動から始めたらいいのか?
冒頭でもお話しした通り、パニック障害の時に運動をすることは効果的です。では、なぜ運動がパニック障害の時に効果的なのでしょうか?
その前に、パニック障害の原因について知る必要があります。
パニック障害とはそもそも何が原因なのか?
パニック障害は、脳の誤作動が原因である、とされています。
つまり、本人の想像からくるものではなく神経系の化学物質の不均衡から引き起こされるものなのです。
詳しくは「【わかって】パニック障害とはなにか?その症状と原因を徹底解説!【強烈な不安と恐怖】」という記事で解説しています。一度読んでみてください。
なぜ運動が効果的なのか?
先ほどお伝えした通り、パニック障害は、脳の誤作動により起こるとされています。
ですので運動をして正しい反応を体が覚えることで、脳の誤作動を少なくしていけると考えられています。
どんな運動をしたらよいのか?
少し前までは、激しい運動をすることはいけないと言われていました。なぜなら、運動による疲労物質がパニック障害の治療の妨げになると考えられていたからです。
しかし現在は、パニック障害は本人の精神および身体状態によってコントロールされるべきもの、という位置づけにあります。激しい疲労は効果的なのです。
↓
このことにより、交感神経優位となり、興奮状態になります。
↓
激しい運動後には、疲労感とともに、爽快感があります。
↓
ドーパミンが適切に放出されることで、副交感神経とのバランスが改善されていくのです。
とはいえ、いきなり激しい運動はおすすめできません。
肉体的な疲労が精神疲労に直結してしまう時期には激しい運動は禁物です。
まずは、ちょっと汗をかく程度、少し息が切れる程度を目安にしましょう。
ある程度の回復をはたしていれば、徐々に激しめの運動にも挑戦していくといいです。
気軽にできる!パニック障害の方におすすめの効果的な運動4つ
どんな運動をするにせよ、やりすぎは禁物です。
まずは、気軽にできる運動から挑戦しましょう。
1.今すぐできる運動・・・ウォーキング

ウォーキングは手軽にできる運動No.1です。
何といっても、その身一つでできちゃう手軽さがウリです。
昨日までお家からほとんど出ていない人が、いきなり、長時間のウォーキングに挑むのはやめましょう。
最初は「5分・家の周り」など軽めのメニューから。
調子が良ければもう少し。
まだいけるかな、くらいでやめておくのがコツです。
ウォーキングが気持ちいと感じるようになったら回数を増やしてみましょう。
気分が良ければ、朝夕2回少し散歩するのもいいですね。
少しウォーキングに慣れてきて、時間が増えたときに気を付けたいことがあります。
それは、『思考』です。
実はウォーキングは軽い負荷で長時間できる運動だからこそ、考える余裕が出てしまうのです。
この時、景色が良いとか、空気が気持ちいいという陽の感情であればいいのですが、考えていくうちにどんどん負の方向へ向かってしまう事があります。
こういうい時は、いったんウォーキングを中止するか、音楽を聴くなどして、思考する暇を与えないことも必要です。
2.少し調子が良くなって来たら・・・オススメは『ラジオ体操』
何だ、ラジオ体操か、と侮ることなかれ。
ラジオ体操第一はたった3分ですが、真剣にやると息が切れます。
これがなかなかに激しい運動なのです。
しかも、体中の筋肉をまんべんなく使うよう考えられています。
息が切れるほど真剣にやらなくてもいいので軽くからだをほぐすつもりでやってみてはいかがでしょうか?
ラジオ体操第1(Youtube)
3分11秒
ラジオ体操(ラジオ)6:30~6:40
ラジオ体操はその名の通り、ラジオでも毎朝放送しています。
テレビ体操(Eテレ) 6:25~6:35
テレビでもテレビ体操というのを毎日放送しています。
テレビ体操は、ゆっくりしたテンポで全身を十分に動かせる運動なので、しばらく運動をしていない人でも無理なく体を動かすことができます。
椅子に座ってもできるように工夫されています。
何より、画面で見てマネできるのがいいですね。
NHKはテレビがあれば見れますから手軽です。
詳しい放送時間はNHKテレビ・ラジを体操をご覧ください。
タイマー機能を使う事をおすすめ!
テレビとラジオの活用法でおすすめなのが、タイマー機能です。
タイマー予約で毎朝電源を入れることで、朝起きて体を動かすことを習慣化できます。
また、この時に、朝日を浴びるもセットで行うとより効果的です。
ラジオ体操のいいところは、ライトモード⇔ハードモードの調整がやりやすいところです。
できる体操だけ、から始めることもできます。
3.ラジオ体操はちょっと…というあなたに・・・踏み台昇降
踏み台昇降も手軽で好きな時間に好きなだけ行うことができる運動です。
しかも、足を使うので、心拍数を上げるのに最適です。
運動の基本は足です。
特に、ふくらはぎを使う運動は心臓を強くしてくれます。
ふくらはぎは第二の心臓といわれるくらい、血液を送り出す力が優れているのです。
同じリズムを繰り返す運動で※セロトニンの分泌も促すことができます。
セロトニンとは『ノルアドレナリン』や『ドーパミン』と並んで、体内で特に重要な役割を果たしている三大神経伝達物質の一つです。セロトニンは人間の精神面に大きな影響与え、心身の安定や心の安らぎなどにも関与することから、オキシトシンとともに『幸せホルモン』とも呼ばれます。 引用:快適.Life様より
踏み台昇降用の踏み台は、安定感のあるものを選ぶ必要があります。段差は10cmくらいあれば十分です。
できれば専用のものをおすすめしますが、安定感があれば家にあるもので構いません。
電話帳を重ねたものでもOKです。
電話帳って今ないですか?では、通販カタログはどうでしょうか?
通販カタログは割と大きいので、これを重ねてガムテープで貼り付ければ簡易ステッパーの出来上がりです!

6冊重ねて9cmです。
まぁまぁの厚みになりました。
ゆるい踏み台昇降なら、8~15cmがちょうどいい高さです。
代表的な踏み台昇降用ステップを2つ紹介します。
●エアロビクスステップ
このステップのいいところは10cmと15cmに高さを変えられるところ。
造りがしっかりしていて、Amazonの人気1位です。
思ったより大きめということですが、安定感は抜群のようです。
●踏み台昇降ダンボールステップ
このダンボールステップのいいところは3つあります。
- 軽くて持ち運びに便利。
- コンパクトで邪魔にならず、そこも平らで、跡がつかない。
- クッション性が高いので、はだしで使用しても足が痛くない。
踏み台昇降のやり方
ステップを使用して、上がり降りするだけです。
この時、ステップ台からあまり離れすぎないようにしましょう。
上がり降りするときの姿勢は、できるだけまっすぐにしたままにしましょう。
まっすぐの姿勢で上がり降りするのがつらい場合は、この限りではありません。
何よりも続けられる運動であることが大切です。はじめは10分くらいから始めてみましょう。
目的はダイエットではなく運動です。
きつい場合は、5分からでも構いません。適度に休憩と水分補給をしながら2セットから始めてみましょう。
TVを見ながら、音楽を聴きながら、Youtubeを見ながら・・・!
踏み台昇降はリラックスして行えるのがいいですね。
4.もうちょっとしっかりした運動なら・・・ジョギング

有酸素運動といえばジョギングですね。
パニック障害を改善するには有酸素運動が一番です。
ですが、ジョギングは、体力・筋力のない状態からいきなり始められる運動ではありません。
まだ、ジョギングできるほど体力筋力がないと感じるならば、まずはウォーキングから始めてください。
無理なく始めて、続けることが大切です。
ジョギングは、パニック障害に効く運動の中で一番効果が高いと言われています。
ジョギングが効果が高いといわれる3つの理由
・有酸素運動が効率よく行える
・ジョギング中は血流が良くなるため、交感神経が優位になるが、ジョギング後には副交感神経が優位に働きよりリラックスすることができる。
・よい疲労感⇒よい睡眠⇒よい朝を迎える、というよい流れを作ることができるため、気持ちによい変化が生まれる。
このように、いいことばかりのジョギングですが、注意も必要です。
ジョギングの注意

・ジョギングすると、大量の汗をかきます。水分補給を忘れずに。
急激な体調の変化は不意なパニックにつながることがあります。
早め早めにケアして突発的な事態を防ぎましょう。
・早くいい効果を得ようと頑張りすぎると、疲労しすぎ、体や睡眠に悪い影響を与えることがあります。
『今の体力・筋力に合ったジョギング』を心がけましょう。
・天候、気分により、毎日続けられなくて、嫌になってしまう事があります。
しばらく続けられなかったからダメだ、ということはありません。
気分が乗った時だけジョギングしたっていいのです。
~しなければならない、とプレッシャーをかけず、気楽にジョギングしましょう♪
運動をして得られる効果、一番大きいのは?

楽しいな、気分がいいな、と思えたら、それが一番の効果です。
面白いな、でも、ご飯がおいしいな、でもいいのです。
プラスの気持ちを持てたら、それを何度もかみしめてください。
『いい気分を得た』という情報を脳に刻み込むことで、不安感を感じなくさせていきましょう!
自分に暗示をかける事で、心臓のドキドキが不安につながることを少なくしていくことができます。
「心臓のドキドキは、不安の前兆ではなくて、気持ちいいこと、爽快感につながっていく。」
これを、体と脳に覚えてもらうのが運動習慣ではないでしょうか?
そう!ほんのちょっとの運動から、はじめてみませんか?


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