- 急にかかとがが痛くなった。
- 運動らしいこともしていないし、思い当たる節がない。
そんな時こそ要注意です。もしかしたら、そのかかとの痛みは、痛風(つうふう)かもしれません。そんなかかとの痛みと痛風について、ご説明させていただきます
Contents
そもそも痛風ってどんな症状?
痛風は、尿酸(にょうさん)という成分が体の中にたまり、それが関節周りに結晶(けっしょう)になって激しい痛みを伴うものです。
この痛みは、関節炎(かんせつえん)を伴うもので、この症状にを痛風と言います。
なんで痛風になるの?
血液の尿酸(にょうさん)が関節に結晶を作ります。その結晶が関節で炎症を起こして痛みを感じるのです。痛みは炎症によって起こるものです。
つまり、体に尿酸が多くなることで起こる関節の痛みです。
尿酸がたまる3つの原因
- 尿酸を摂取する
- 尿酸を処理できない
- 尿酸を排泄できない
この3つで体には尿酸が溜まってしまいます。その原因は食事や内臓の疲労などが考えられます。
1.尿酸の摂取で起こる

痛風は夏場に起こりやすいと言われています。それはビールなどの摂取に加えて水分が不足するためです。ビールやおつまみには尿酸が多く含まれております。
そのため、打ち上げやビールの消費が多い季節には尿酸を多く取りやすいのです。
2.体で処理ができない
ビール以外にも尿酸を含む食材は多くあります。
その体に取り込まれた尿酸は分解されて排泄されます。その過程で処理をするのが腎臓や肝臓です。この内臓が疲労すると、尿酸を処理仕切れないことで、体に蓄積していきます。その結果、負担のかかる部分に結晶となって炎症を引き起こします。
3.体から尿酸を排泄できない
尿酸は内臓で処理をして排泄されます。しかし、摂取量が多いことや処理しきれないと、排泄し切れません。それだけでなく、関節への負担が多い部位には慢性的な炎症が起こります。その部分にイオンとして引き寄せられます。これによって体外に排泄することがより難しくなります。
痛風はどんな症状が起こるの?

痛風になる時には特徴的な症状があります。その痛風の症状は、親指の付け根など関節が赤く腫れて、激しい痛みを感じます。
この痛みは、急激に起こる痛みなので、痛風発作とも言われています。
- 関節の痛み
- 関節の赤み
- 関節の腫れ(はれ)
- 思い当たる理由がないのに突然痛む
- 痛みが出るのは一度の発作で一箇所
- ムズムズ、ピリピリなどの前兆がある
- 痛風結節(つうふうけっせつ)
どんなところが痛くなるの?
関節部分に起こりやすいです。特に親指の関節に多く症状が現れやすいです。他にも体の中で負担のかかりやすい部位にできます。仕事の内容や普段の姿勢などが影響してきます。
もしかしたら痛風かも?痛風チェックリスト
関節に痛みを感じた場合には、痛風も疑ってみましょう。その時に痛風を疑う場合には、いくつかのチェックリストがあります。その項目に該当している場合は、痛風を疑って見ましょう。
痛風分類基準 (ACR、1977)
a) 尿酸塩結晶が関節液中に存在すること
b) 痛風結節の証明
c) 以下の項目のうち6 項目以上を満たすこと
- 2回以上の急性関節炎の既往がある
- 24時間以内に炎症がピークに達する
- 単関節炎である
- 関節の発赤がある
- 第一中足趾節関節の疼痛または腫脹がある
- 片側の第一中足趾節関節の病変である
- 片側の足根関節の病変である
- 痛風結節(確診または偽診)がある
- 血清尿酸値の上昇がある
- X線上の非対称性腫脹がある
- 発作の完全な寛解がある
引用:KOMPAS 慶応義塾大学病院 医療・健康情報サイト様より引用
痛風以外の疾患
痛風には特徴的な症状があります。そのチェックリストに該当しない場合は、他の疾患を疑ってみましょう。関節の痛みは痛風以外にも起こります。もしかしたら、もっと重篤な問題の場合もあります。
- 関節リウマチ
- 変形性関節症
- 義痛風
- 外反母趾
1-1.関節リウマチとは
関節リウマチとは、自己免疫疾患の1つです。免疫反応が誤って自分の体を攻撃してしまうことで、関節などに炎症が起こります。
1-2.関節リウマチの症状
関節リウマチには特徴的な症状があります。それは7つの項目があります。
それらの項目に該当する場合には、痛風ではなく、リウマチによる痛みを疑いましょう。
- 朝の強張りがある
- 3箇所以上の関節に炎症がある
- 手指の第2、第3関節、あるいは手首の関節に炎症による腫れがある
- 左右対称の関節に、炎症による腫れがある
- ひじやひざなどに皮下結節(ひかけっせつ)がみられる
- 血液検査で、リウマトイド因子(いんし)が陽性
- X線検査で、手の関節に異常が見られる
2-1.変形性関節とは
変形性関節症とは、慢性的な関節にかかる負担による炎症で関節が変形することです。このような関節症は関節がある部位に見られます。体重のかかりやすい部分には、関節炎以外にも皮膚の肥厚(ひこう)なども見られます。
3-1.義痛風とは
義痛風は、ピロリン酸カルシウムの結晶によって起こる関節炎です。この結晶が軟骨に沈着するために、軟骨石灰化症(なんこつせっかいかしょう)とも呼ばれています。
3-2.義痛風の症状
症状は以下のサイトから引用させていただきました。
関節のはれ、痛み、発赤、熱感が出現します。半数以上が膝に出ますが、その他、手や足関節にも出現します。また、発熱、体重減少などの全身症状を伴うこともあります。
4-1.外反母趾
外反母趾は、親指の付け根に慢性的な負担が加わり、骨や靭帯の変形をきたす症状です。
痛風になるとかかとが痛くなるって本当?
痛風は関節の炎症です。しかし、関節以外にも、かかとが痛むこともあります。
それは、結晶ができて炎症が起きた関節以外にも結節と言われる変形が起きるからです。
もし痛風が原因でかかとが痛くなるのがYESなら、なぜ?
痛風とは、血液の尿酸が結晶を作り炎症を起こします。それを繰り返していくうちに、足首や関節部分が腫れてしまいます。発作を繰り返すうちに、関節の痛みだけでなく、関節周囲にや体のどこかに結節ができてしまいます。
それがかかとにできるとかかとに痛みを感じます。
ではなぜ結節ができてしまうのでしょうか?それは、かかと周りに負担がかかっているからです。
かかとに負担がかかりやすい条件
- 捻挫癖がある
- 靴底が固い靴を履く
- 靴擦れをしやすい
- ふくらはぎが疲れやすい
このような環境が続くことで、炎症が起こりやすくなります。炎症の起きる部分には結晶もできやすいのです。
痛風が原因でかかとが痛くなったならどんな対処をしたらいいの?
以下の3つの対処をおすすめします。
- 炎症を抑える
- 病院への受診
- 予防を行う
では詳しく見ていきましょう。
1.炎症を抑える

- アイシング
- めぐりを良くする
- 薬
炎症反応は、過剰に起こることで必要以上に痛みを感じます。炎症反応は体を直すときに働く反応です。しかし、過剰に反応する場合には、アイシングをすることで軽減できます。
アイシングをすることで、実は体のめぐりが良くなっています。そのため、腫れが引いて、痛みを感じる物質も流れるのです。
また、それでも辛さが軽減されない場合は、薬の服用も必要になることがあります。これは、医師の指示に従って対処します。確定診断を受けるためにも、移動までの処置として、アイシングが有効です。その後は医師に診断を受けることが良いです。
2.病院へ行く
病院へ行くことで、原因がわかります。
検査を受けて診断されることで、今後の見通しが立ちます。必要に応じて薬も処方される場合があります。
しかし、尿酸が多いのが食事の場合なら、食生活を見直す必要があります。今後の再発防止を踏まえて、予防にも取り組んでいきましょう。
3.予防もしっかり行う
痛風の予防をするためには、食事の改善と体の扱い方の両面が必要です。食事に関しては、食べ方や食材をみなおしましょう。この項目では、体のくせについてお伝えいたします。
a.捻挫癖がある
捻挫癖があると、かかとや足首に負担がかかりやすいです。そのため、慢性的な軽微な炎症が起こります。その部分に結晶ができやすいです。
a-1.捻挫癖の対策
捻挫癖がある場合は、爪先立ちをして見ましょう。単に爪先立ちをするのではなく、壁を背中につけて行います。そうすることで、足首だけの負担が減ります。
b.靴底が固い靴を履く
硬い靴を履くことでかかとに慢性的な負担がかかります。また、かかとの皮膚が厚くなってきたら要注意です。かかとが高くなっている革靴が多いです。そのため、かかと重心になりやすいです。その癖が靴を脱いでも継続します。
b-1.対策
かかと重心の場合は、素足で歩く習慣を持ちましょう。そうすることで足裏全体で体を支えるようになります。
c.靴擦れをしやすい
靴擦れは、サイズの違いやヒールカップのぶつかりによって起こります。靴がフィットしていないと、靴ん中で足がブレてしまいます。その癖が足首に負担となって蓄積していきます。
c-1.対策
フィットする靴を履きましょう。現在使用している靴はインソールなどを入れることでも改善できます。また、靴選びは、夕方以降の時間帯がオススメです。足が一番むくんだ時に選ぶことで、大きい時の状態がわかります。
d.ふくらはぎが疲れやすい
ふくらはぎはかかとについています。そのため、ふくらはぎが疲労することで、かかとについているアキレス腱や周囲へ疲労が蓄積ます。そうすると、慢性的な炎症が起こりやすいです。
d-1.対策
ふくらはぎのストレッチた足裏をマッサージしましょう。ほぐすだけでなく、触れることで、コリを感じて足が柔らかくなります。
今回の記事のまとめ
かかとの痛みは、痛風などの内科疾患の場合もあります。
かかとを痛めた記憶がない場合には、そのような可能性も目を向けてみましょう。
その場合は、それぞれの症状に特徴があり、鑑別できます。原因がわかれば、適切な対処が取れるので、是非とも、医療機関の診断やその後の予防も含めて対応されてくださいませ。


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