大阪府枚方市で自律神経失調症専門の整体院を営んでおります、西田と申します。
この記事は、私が10年近い現場経験の中で把握した「自律神経失調症の本当の原因」を説明したいと思います。
本当の原因を知ることが、回復のために最も重要なことだと考えるからです。
現代社会に蔓延する自律神経失調症
さて、現在、原因不明の慢性的な体調不良で悩む人は、とても多いのではないでしょうか。多くの方が訴える、身体に顕れる不調として、
- 頭痛
- 肩こり
- 首こり
- めまい
- ふらつき
- 耳鳴り
- 不眠
- 吐き気
- 動悸
- 過呼吸
- 不整脈
- 慢性疲労感
- 倦怠感
- 腹痛
- 腰痛
- 便秘や下痢
- 生理痛や生理不順
- 発疹
- 神経過敏
などがありますが、あげ出すと、きりがありません。身体のみならず、うつ、パニック発作、不安感、焦燥感など、精神的な不調を訴える人も多いです。
ほとんどの場合、上にあげたような不調を複数訴えます。会社や学校へ行けない、家事ができないなど深刻な状態に陥ることも多く、中には起き上がることすら困難な人も少なくありません。
それほど重篤な状態でありながら、多くの場合、医療機関のさまざまな診療科で検査をしても、異常が発見されません。
検査をすればするほど、正常であることが証明されるという皮肉なことも起こります。いずれにせよ、疾患の原因が特定できない場合、「自律神経の乱れが原因」あるいは「自律神経失調症」と診断されることが多いようです。
自律神経失調症とは何か?
では、自律神経とは何でしょうか?自律神経失調症とはどのような状態のことでしょうか?簡単に説明をしておきましょう。
自律神経とは
自律神経とは、身体のあらゆる生命維持活動を制御、調整しているたいへん重要な神経システムです。自律神経は、交感神経と副交感神経の二系統に分類されます。
わかりやすく説明すれば、交感神経は活動するための神経であり、副交感神経は休息するための神経です。交感神経と副交感神経は、やじろべいのような関係であり、どちらかが活発に働く時は、もう一方の働きは抑制されます。
自律神経は、私たちの意志に関係なく、24時間365日休むことなく働き、呼吸、血圧、消化、心拍、ホルモン分泌、免疫など、生命維持に必要なあらゆる営みを制御、調整しています。

自律神経失調症とは
この神経システムのバランスが乱れたり、機能不全を起こすことにより、生命維持のための働きが乱れ、その状態を私たちは不調として感じます。これが自律神経失調症と呼ばれる状態です。
自律神経の失調は、いわゆる自律神経失調症と呼ばれるものだけでなく、慢性疾患や難治性疾患など、ありとあらゆる疾患の根本原因のひとつになっていると私は考えています。最初は小さな症状だったのが、やがて難病と呼ばれるほどの症状に発展するケースも、多々あるからです。
なので、自律神経失調の本当の原因を知ることは、さまざまな病気の治癒や予防、あるいは健康を維持するために、たいへん重要だと言えるでしょう。
どのような人が自律神経失調症になるのか?
私の整体院は、自律神経失調症を専門にしており、2008年の開業以来、数千名の方に向き合って参りました。病院で自律神経失調症と診断され、さまざまな治療を試みて改善されない方がやって来られますが、男女限らず下は小学生から上は70代以上の方までいらっしゃいます。
その経験で申し上げると、性別、年齢、職業などに、大きな偏りはありませんが、あえて申し上げると、現時点では、以下の二つの属性の方のお客さまが、全体の約8割を占めます。
- 20~40代の女性(専業主婦、パート、会社員など)
- 中学生(男女半々くらいです)
特に(2)については、※「起立性調節障害」という疾患名をつけられることが多いようです。ついには登校困難となり、数週間~数ヶ月にわたり、学校へ行けずに休んでいる子どもも少なくありません。
この疾患で悩む子どもは、近年、急増しているようです。この疾患に関しては、機会があれば、記事を改めて言及できればと考えております。

思春期の子どもに多く発症する疾患です。朝起きれない、ふらつきやめまい、微熱、頭痛、全身倦怠感などの原因不明の症状に悩まされ、不登校になる子どもも少なくありません。発症率は5~10%とされており、この症状で悩む子どもは、軽症も含めると、全国に約100万人いるとされています。
具体的な症例
以下、当院における具体的な症例をいくつかあげます。きっと同じようなことでお悩みの方もおられるのではないかと思います。
学生の頃から、緊張すると血の気が引き、気分が悪くなり、めまいや貧血を起こしてきた。日常においても「またそうなったらどうしよう」と不安になり、動悸がするようになった。参観など緊張する場面はもちろん、親しい人と食事に行くような時でさえ、そのような状態に陥る。最近は、胃と喉付近の違和感、吐き気、動悸に悩まされている。仕事もまともにできない、男性とも付き合えない、結婚もできないのではないかと悲観をしている。
約半年前から「目の奥やこめかみが痛くなる」「会社帰りにめまいを起こす」などの症状が頻発するようになる。眼科、脳神経外科、耳鼻科等で検査をしてもらうが、異常なしとの診断を受ける。仕事量を減らして症状は鎮静したが、もとに戻すと、毎日めまいが出るようになる。2ヶ月前から肩や首のこりがひどくなり、動悸、冷や汗、呼吸困難、強い不安感などの症状が出て、休職するに至る。
16年前から片頭痛で悩んでいる。市販の頭痛薬をほぼ毎日服用していたが、まったく効かなくなってきた。なので、6年前から、頭痛外来のあるクリニックに通うようになった。そこの医師から「あなたの頭痛は一生治ることはなく、薬でしのぐしかない」と告げられた。現在、1ヶ月に1回通院し、5種類の薬を処方してもらっているが、まったく治まる気配がないばかりか、どんどんひどくなっているので、非常に不安である。
2年前から、めまいと頭痛に悩まされている。時々、身体に力が入らなくなる。病院で、甲状腺と肝臓の機能障害を疑われ、検査をしたが異常なし。医師からは「美味しいものでも食べて、ゆっくりしなさい」と言われただけであった。寝つきはよくなく、夜中に何度も目が覚める。
中一の3学期中頃から、微熱と倦怠感が続く。4月に入院、検査を受けるが原因不明とされる。6月に別の病院を受診、「起立性調節障害」と診断される。その頃から、まったく学校へ行けなくなった。7月に、OD(=起立性調節障害)専門クリニックを受診、医師から「3年くらいの長期スパンで治していこう」と宣告される。薬物処方で様子を見るが、まったく改善されず。
自律神経失調症は「心の病」か?
はたして自律神経失調症は「心の病」なのでしょうか?
心とは何でしょうか?どこにあるのでしょうか?
百歩譲って心の病だとしても、どうしてそれが自律神経の失調につながるのでしょうか?
あるいは心の病でないとしたら、自律神経失調の原因は何でしょうか?
自律神経失調症の本当の原因は?
自律神経失調症に限らず、病気や症状は「結果」です。結果には、必ず「原因」があり原因を招く「要因」があります。これを整理して考えないと、本当の解決法は見えてきません。
原因と結果を考える
わかりやすくするために、火災報知器に例えましょう。部屋の中で火気が発生すると、天井についたセンサーが熱や煙を感知し、ブザーやベルを鳴らして知らせます。火気が「原因」であり、ブザーやベルの音が「結果」です。
つまり、病気や症状は結果であり、結果を招く原因が必ず存在するということです。そして、原因を招いた「要因」があります。火気を招いた要因は、例えば煙草の火の不始末であったり、漏電であったりします。
薬物治療などの対症療法は、ブザーやベルのスイッチを切るということです。それはそれで必要なことですが、あくまでも一時しのぎです。火の元を探し、消火せねばなりません。運よく自然鎮火するということもありますが、延焼して大火事になることもあります。
また、自然鎮火をしても、火気を発生させた要因を把握して対策をせねば、再発生する恐れがあります。

自律神経が失調する直接の原因
自律神経が失調するには、明確な直接原因があります。それは「筋肉の慢性疲労と過緊張」だと私は考えています。つまり、さまざまな要因が重なり、筋肉が慢性疲労状態に陥り、過緊張状態が持続し、それが自律神経失調につながるのです。
おそらくほとんどの人は、初めて聴く話だと思います。
なぜ筋肉の慢性疲労と過緊張が自律神経失調につながるのか、筋肉の慢性疲労と過緊張とはどのような状態なのか、なぜそうなるのか。
一般的に原因とされている「ストレス」は自律神経失調症の原因ではないのか?
以下から詳しく解説していきます。
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