巻き爪になると、痛みだけではなく出血してしまったり、膿(うみ)が出てしまうこともかなりの確率が起こることをご存知でしょうか?
痛みだけでも気になって靴選びや外出をするのがイヤになってしまいます。
それに加えて出血や膿が出てしまうと、その手当をしなくてはならなく更に憂鬱(ゆううつ)な状況になってしまうのです。
今回はどうして巻き爪から出血や膿が出てしまうのか、その原因や治療法などを解説していきます。今、膿んでしまうほどの巻き爪で悩んでいる人は、是非参考にしてみてください。
巻き爪が原因で出血してしまうのはなぜか?どういう状況で出血してしまうのか?

巻き爪の症状だけであれば、爪の形が曲がっているようないびつに生えてくる見た目の問題だけでさほど気になることではありません。
ですが、この巻き爪の端が皮膚に刺さると、出血を引き起こすことがあります。爪が食い込んだ部分は、痛みが出て、赤く腫れあがることがよくありますが、皮膚が腫れると爪の端が更に皮膚に埋もれて出血しやすくなっていくのです。

また、出血だけではなく、うっ血することも巻き爪ではあります。その原因として、爪が皮膚に食い込むことで、その周囲の皮膚が腫れあがって血液の流れが悪くなってしまうのです。この場合の症状として、皮膚が紫色になったり、赤黒かったり、白っぽくなることもあります。
血液の流れが悪くなること。停滞して流れが滞ること。
出血するほどの巻き爪はひどい状態なの?

巻き爪を、そのまま治療もせず放置していると症状は悪化していきます。そして、食い込んだ巻き爪の周囲の皮膚は、出血を繰り返し、肉芽組織へと変わっていくのです。
出血するほどということは、かなり深く爪が食い込んでいる場合が多く、重症の巻き爪です。肉芽組織が出来てしまうと、膿が出てきてしまいます。膿が出ると常に湿っている状態ですので、生えてくる爪も柔らかく変形しやすいため、また巻き爪になってしまうという悪循環に陥ります。
化膿するのはなぜ?
化膿するということは、巻き爪によって皮膚に傷ができ、そこに細菌(ブドウ球菌など)が感染したからです。
普通の傷の場合、細菌は存在しますが、化膿することなく治ることがほとんどです。傷口が汚れている場合、細菌に感染しやすいため、化膿することも多くなります。特に足の指は汚れやすく、傷ができると化膿してしまう可能性は必然的に高くなるのです。
このように爪の周りの皮膚に傷ができ、そこから細菌感染してしまった症状を「化膿性爪囲炎(かのうせいそういえん)」と言います。爪の周りの皮膚は赤く炎症を起こし、膿も溜まっているため黄色く見え、化膿しているため指も腫れてしまいます。
膿が出るということは、細菌が侵入して化膿している状況で、とても不衛生ですし、悪臭も発生してきます。
⇒参考:「足が臭い?まさか巻き爪が原因だったの?臭いの原因と対策」
ここで、膿を自分で絞り出そうなんてことはしないようにしましょう。
むやみに膿を出そうとすると、そこからさらに細菌感染してしまい、症状が悪化してしまうことがあるからです。消毒をすれば問題ないと思われがちですが、巻き爪を根本的に治療しなければ、出血も膿も完治はしませんので、ここまで来てしまった巻き爪は病院を受診することをおススメします。
うっ血している巻き爪も同様です。このまま放置していると血流が悪くなっているので、その部分は浮腫みます。浮腫むと皮膚はさらに腫れあがり、炎症を悪化させてしまうのです。そして、肉芽組織が出来てしまいます。
どんな対処をしたらいいの?
自宅でのケア

これから説明するケアは、あくまでも病院を受診するまでの一時しのぎのケアです。出血や膿が出ている場合は、かなり深刻な巻き爪であることが多く、自然治癒することは難しいのが現状ですので、是非医療機関を受診してください。
まず、膿が出てくる場合は、ティッシュなどで拭きとります。
また、圧力を加えて、膿を出したいという人もいると思いますが、無理やり膿を出し、そこから更に菌が入り込み、悪化する可能性もありますので、無理やり膿を出すのは、おススメできません。適切な処置をするためにも、医療機関を受診しましょう。
病院へ行くまでの間、どうしても自分で膿を出したいという方に、適切な膿の出し方をご説明します。
- 巻き爪になっている指の皮膚を石鹸で洗います。そして、洗面器にお湯をはり足湯をしたり、湯船に(入浴)浸かったりして皮膚を柔らかくします。その後、清潔なタオルで水気をふき取ります。
- 化膿して膿の溜まっている周辺の皮膚を力を入れ過ぎないように、適度な力で押して中の膿を出します。この時に、手で直接触れるのではなく、化粧用コットンやティッシュなどを使って押し出しましょう。
- 清潔なガーゼやティッシュで出てきた膿を拭きとり、消毒液を使い消毒します。
- ガーゼで患部を当てたり、包帯で患部を巻いて保護しておきます。
もし、ご自身で対処する場合は、このように膿を出し消毒、更には市販の化膿止めなどを利用して細菌感染を防ぐようにしましょう。
しかし、最初に説明したようにこのような自宅でのケアは、あくまでも一時しのぎの対処法です。 もし、強い力で膿を押し出してしまうと、そこから出血をしてしまう場合も多くあります。膿は、(できるだけ)出したい!という気持ちから膿を押し出しすぎてしまうこともあります。
どのような場合でも、出血や膿が出ている時は、医療機関を受診しましょう。膿を出すだけでは巻き爪の根本的な治療にはなっていません。
そもそも、巻き爪にならないための予防法は痛~い足の巻き爪になる前に自分でできる予防法!実は簡単なことだったという記事で詳しく説明しています。
医療機関でのケア

まず、化膿している場合は、その治療を行います。膿が溜まっている部分を消毒し、化膿止めの軟膏を塗ったり、抗生物質を内服し、化膿している部分の炎症を抑えます。
そして、巻き爪の治療を考えます。巻き爪の治療は以前『巻き爪の手術って痛いの?手術の痛みや費用が心配なあなたに私の体験をご紹介します。』という記事でもご紹介しましたが、矯正をするか手術になるかです。
矯正療法
テーピング法:テープで固定する方法
ワイヤー法:ワイヤーで矯正する方法
プレート法:形状記憶合金のプレートを貼って矯正する方法
コットンパッキング:コットンを爪と皮膚の間に挟み痛みを和らげる方法
手術療法
フェノール法:フェノール剤を使って、爪母(そうぼ)を壊す手術法
鬼塚法:爪の横を大きく切除する外科手術法
尾郷法:爪の横を5ミリ程切開して、爪母を切除する手術法
爪母全切除法:爪母を全て切除する手術法
巻き爪は、出血や膿が出る前に医療機関で受診しましょう。そうすれば、治療も矯正するだけで治る可能性が高いです。
しかし、放っておき出血や膿が出てしまうと、化膿を抑えるだけではなく重症化した巻き爪を治療するために手術が必要になる可能性があります。
まとめ

いかがでしたでしょうか?
たかが巻き爪と思いでしょうが、巻き爪は放っておくと悪化していくだけです。出血や膿がでるまで放っておくと日々のケアだけでなく、医療機関での治療も大掛かりなものになります。
巻き爪を甘く見ずに、的確なケアを行いましょう。
◆参考URL;

ayaari

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