不妊症の原因は、男性にも女性どちらにもありうる問題です。不妊症とはどれくらいの期間赤ちゃんができないことを言うの?でもお話した通り、一般的には避妊をせずに1年以上経過しても子供ができない場合を「不妊症」と定義されています。
不妊症と診断を受けた方は、その原因を解明するため不妊症検査を受け、治療が必要な方は不妊治療も一つの視野に入れて、子作りを考えていく必要性があります。
今回はそんな不妊症の治療についてお話していきます。
不妊治療の一般的な流れ

不妊治療とは、不妊症のカップルのために、薬や高度生殖医療技術を通じて妊娠の手助けをする治療全体のことを指します。
その治療法も様々な治療法があり、晩婚化が進め現代の中で、不妊治療における医療技術を必要とする人が増え続けており、又それに応じて医療技術も進化し続けています。
不妊検査では何をするの?
女性の場合
排卵障害や卵巣腫瘍、卵管のねじれ、子宮内膜症や頚管粘液の異常、着床障害の原因を調べます。
男性の場合
精液の中に精子がない無精子症や数が少ない乏精子症、運動率が悪い精子無力症、ほかにも精子死滅症、精子過剰症を調べます。
不妊治療の流れ
これらの原因が発覚した後で、不妊治療が始まります。不妊治療は、大きく分けて、
- 「一般不妊治療」
- 「高度生殖医療」
の2つに分けられ、一般不妊治療から段階を踏んで必要に応じて、高度生殖医療へと進んでいきます。
1.一般不妊治療
自然に近い形で妊娠を目指す方法になります。身体に負担が少ない治療法になり、大きく3つの方法を段階的に進めていきます。
2.高度生殖医療
日本では、1982年から医療が開始され、主に人工授精等の治療によって妊娠しない難治性不妊症に対して利用される治療法になります。
不妊治療の種類と費用について

それでは、上記2つの治療法について詳しく診ていきましょう。不妊治療を受けることになった患者は、まず一般不妊治療を行っていきます。そして必要に応じて、高度生殖医療に移行していきます。これらの2つは、さらにさらに細かく治療法が分類されています。
- 一般不妊治療・・・タイミング法・ホルモン療法・人工授精
- 高度生殖医療・・・体外受精・顕微授精・凍結胚移植
このように、一般不妊治療では、タイミング法・ホルモン療法・人工授精の3つに分類され、高度生殖医療では、体外受精・顕微授精・凍結胚移植に細かく分類されています。それでは、この6つの治療法をご説明していきましょう。
<一般不妊治療>
■1.タイミング法とは
基礎体温グラフなどから排卵日を予測して、排卵日の少し前に性行為をして妊娠の確率を高める方法です。自然妊娠と同じですが、通院して排卵日の予測の精度を高めることで妊娠率が高まります。女性の年齢が35歳未満の場合、不妊の原因治療と一緒にタイミング法が選ばれます。
費用:数千円~1万円程度になります。
■2.ホルモン療法
ホルモン療法が行われることがあります。ホルモン療法には、黄体ホルモン補充療法と排卵誘発療法の2つがあります。
2-1.黄体ホルモン補充療法
黄体ホルモン補充療法とは、不妊検査によって黄体機能の低下があるときに行われる治療法です。黄体機能と妊娠率には関係があり、機能が低下することによって妊娠率にも影響があるとされています。
2-2.排卵誘発療法
又排卵誘発療法は、無排卵や生理周期が安定していない人を対象に行われる不妊治療です。排卵を促すことで卵子の子宮内膜の質を改善して妊娠を目指します。
■3.人工授精
人工授精とは、男性側に不妊の原因である勃起不全、射精障害、乏精子症、精子無力症などが認められる場合に、直接子宮内に精子を送り届けて妊娠をサポートする方法です。
また、一般不妊治療で妊娠できなかったときに、次の治療法として選択されます。精液を採取し、遠心分離などの方法を用いて運動性良好な精子を回収し、専用の細いチューブを使って子宮に注入します。
費用:1回当たりの金額が、約1~3万円になります。
これらの一般不妊治療において人工授精以外は、保険が適用されますので、きちんと事前に確認するようにしましょう。
<高度生殖医療>
続いて、高度生殖医療についての詳細をご説明していきましょう。
■4.体外受精
体外受精は、女性から卵子を、男性から精子を取り出して体外で受精させ、培養した受精卵を子宮に戻すことで妊娠率を高める方法です。男性と女性それぞれに不妊の原因があって、人工授精までの治療では妊娠が困難だとわかっているときに行われます。
年齢が35歳を超えていてタイミング法に時間をかけている余裕がない場合や明らかにタイミング法では妊娠ができない原因をもっている場合は、最初から人工授精や体外受精が検討されることもあります。
費用:1回での費用が、約20~50万円と他の不妊治療と比べても高額で、受精卵をどれくらい培養するのかでも金額は変動します。
■5.顕微授精
顕微授精は、精子の状態が悪いと体外受精をしても受精は起こりませんので、こうした場合に行います。顕微授精は、体外受精のように精子と卵子の自然受精を見守るのではなく、精子を細いガラスピペットを用いて直接卵子に注入して授精させ、その後、受精卵を培養して子宮へ戻す方法です。
費用:1回での費用が約40~60万円になります。
■6.凍結胚移植
凍結胚移植とは、採卵した卵子と精子を受精させて凍結し、生理周期に合わせて融かし子宮に戻すことをいいます。ちなみに凍結胚移植を行う場合、移植の処置は助成金申請の対象となっています。
費用:費用は約12~40万円ほどかかります。
これらの高度生殖医療に該当するものは、基本的に保険適用外になりますが、一部助成金の対象となるものもありますので、随時確認するようにしましょう。
不妊治療にかかる平均費用

不妊治療はお金がかかるというイメージがありますが、初期の頃の検査や治療なら健康保険が適用されますが、人工授精以降の治療は、ほとんどが保険適用の対象外となります。
3年前の統計では、不妊症に悩む2000人のうち半分以上、およそ50%が100万円以上の治療費がかかったと言われています。平均およそ150万円程の費用がかかるとお考え下さい。
但し、これはあくまで目安です。治療内容や治療期間の長さによって、かかる金額は病院によって異なり、治療内容は選択できますので、そういった点から各々の判断で差が生じてくることを覚えておきましょう。
又、夫婦で所得が730万円未満の場合、助成を受けることができます。この制度で助成を受けられるのは、戸籍上の夫婦に限られ、事実婚のカップルは助成対象外になりますが、体外受精・顕微授精以外の治療法では妊娠の見込みがない、あるいは妊娠の可能性がかなり低いと診断された場合のみ、助成を受けることができます。
どんな病院に行ったらいいのか?

不妊治療を受けるに当たって、病院選びも重要なポイントになります。病院選びは、以下の点に着目して、見つけていきましょう。
<病院選びのポイントとは>
- 口コミで評判が良い
- 金銭面や精神面の両方から治療を進めてくれる点
- 看護師にベテランがいる点
- 診察内容を細かく伝え、コミュニケーションが手厚い点
- なるべく身体に負担をかけない方法を選定してくれる点
この5つのポイントを感じ取れる病院を選ぶようにしましょう。
まず始めに行うことはクチコミで評判が良い病院を探しましょう。そして、話をする中で色々見えてくる点が、患者のために考えてくれる医師が強く、不妊における細かなコミュニケーションと身体のことを第一に考えてくれる病院であること。
又同時に不安になるのが金銭面です。こうした点も身体のことを第一に考えて最大限安く提示くれる病院であることを見極めることが良い病院選びをする重要なポイントになるでしょう。
要点のまとめ
不妊治療は、長期的なスパンでの治療となり、身体に大きな負担を与える治療です。
コストも100万円以上の金額が最低でもかかりますので、しっかりとした不妊治療に関する知識を身に付け、受診することが重要です。

ayaari

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