椎間板ヘルニアになってしまったんだけど、運動ってして良いのかな?腹筋背筋をつけろと言うけれど、なにをすれば良いんだろう?など、“椎間板ヘルニアと運動”についてお悩みのあなたへ。
たしかに筋肉はついていたほうが腰にも良いんだろうけど、下手なことやると傷めてしまいそうでなんだか怖いな‥という不安もありますよね。この記事では、ヘルニアにはどんな運動が良く、また気をつけたい点はどんなことか?鍛えるべきはどの筋肉か?などについて解説します!
【まず始めに】ヘルニアにとって運動は良いのか?について
痛みが強くて、日常生活に支障が出ているとき(急性期)の運動はもちろんNG。安静が第一です。しかし、痛みが落ち着いたら適度な運動をおこない、筋肉を鍛えるべきなんですね。
運動が大切なワケその1.身体を支える筋肉を鍛えるため
ヘルニア治療に重要なのは胴体周りの筋肉です。それはなぜか?
胴体周りの筋肉が弱くなると身体を支えられなくなりますから、そのぶん背骨によけいな負荷をかけてしまうんです。そしてヘルニアは背骨の一部である椎間板に負荷がかかり過ぎて潰れてしまうことで起こる病気。ですからしっかりした筋肉は、ヘルニアの根本治療には不可欠なんです。
さっき、痛みが強い時は安静第一と言いました。しかし“安静”というのは筋肉を動かさなくすることなので、その期間だけ、とうぜん筋肉は衰えてしまいます。
ですからヘルニアの治療を始めて3ヶ月から半年ほど、症状の改善が見られたころから(もちろん医師の判断・指導のもと)適切な運動によって筋肉を鍛えることが必要なんですね。
運動が大切なワケその2.肥満の防止
肥満も、ヘルニアの原因になり得ますからダイエットも大切!
なぜ肥満が関係するの?ということですが、理由はシンプル。身体が重ければ、そのぶん椎間板によけいな負荷がかかるから。
ちなみにこれはとくに男性に当てはまります。どうしてか?
理由は男女の太りかたの違いにあります。ホルモンの関係から、男性はお腹に脂肪がつく太りかた(いわゆるビール腹)になるのですがこれが問題。

せり出したお腹により、重心が前に偏ってしまいます。すると真っ直ぐ立ちづらくなり、背骨〜ひいては椎間板に無理な負担をかけてしまうんですね。
オススメの運動法
ヘルニア対策に運動は必要なわけですが、気をつけたいのはその運動法。適切におこなわないと改善どころか悪化させてしまうこともあります。
これから、どんな運動をしたら良いのか?どんなのはNGなのか?を解説していきます。
腹式呼吸トレーニング
さっき胴体を支える筋肉、と言いましたが、それを鍛えるのにもっとも手軽に取り入れられるのは腹式呼吸トレーニングです。
“胴体を支える筋肉”とはこの4つの筋肉たち!

インナーユニット
4つをまとめて『インナーユニット』と呼ばれる筋肉で、胴体〜骨盤のまわりを包むようについています。正しい姿勢や、内臓の位置をキープする筋肉で、ここが弱ってしまうとそのぶん椎間板によけいな負荷がかかってしまう。
このインナーユニットを直接働かせて鍛えることができるのが“腹式呼吸”なんですね。
腹式呼吸のやりかた
腹式呼吸、歌のレッスンやヨガをやられているかたなら馴染みがありますが、そうでもないとなかなか意識する機会もありません。そこで、かんたんに腹式呼吸のコツが掴めるやりかたをご紹介します。
- 立ってリラックスした状態で、まずは息をゆっくりと吐き切る
- 鼻から息を吸う。吐ききったぶん身体が自然と吸い込むのに任せる。お腹が膨れていく感覚が掴める
- 息を2秒ほど止めてから、また吐き切りお腹が凹む感覚を得る
- 吐ききったらまた2秒ほど息を止めてから、また自然に任せて息を吸い込む
さいしょに息を吐ききっておなかを凹ますことで「ああ!おなかで呼吸するってこういうことか!」っていうのが分かります。ぜひ試してみてください!
ウォーキング
ウォーキングも胴体〜足腰までの筋肉をバランスよく鍛えられるオススメです。毎日30分程度が一般的な目安ですが、もちろんこれは身体に聞きながら。痛くなったら無理は禁物です。
ウォーキング時の注意点
靴はケチらず、衝撃を吸収してくれる良いものを履きましょう。またなるべく固いアスファルトの上ではなく、土など柔らかい地面になっている環境がベストです。
ウォーキングに慣れてくると、なんだか物足りなくなりジョギングに切り替えたくなるものですがこれはNG。
ジョギングは言わば「小さいジャンプを繰り返しているもの」ですから、この衝撃が椎間板に負担をかけてしまいます。あくまでウォーキングにとどめましょう。
ストレッチ法『マッケンジー体操』
ヘルニアを始め、腰痛全般においての対策ストレッチとして有名な『マッケンジー体操』というエクササイズがあります。
3つのステップに分かれているので順に紹介します。痛みが出たら無理をせず、できる範囲でおこないましょう。
ステップ1

まずは、うつ伏せに寝そべります。あごを床や腕の上に乗せるかっこうで。軽く背中が反っている姿勢になります。
ステップ2

次に、ひじを立てて身体を少し反らせます。肩とひじが一直線になるように。おしりから下、下半身はリラックス。ゆっくりと深呼吸を3回ほどしてみましょう。鼻から吸って口から吐きます。なお、体勢が「キツイな」と感じたらムリはしないで。うつ伏せに寝るだけでも充分です。
ステップ3

「まだいけるな」というかたは次のステップ。手のひらをついてさらに身体を反らせます。首も軽く反らせて、上を向くような姿勢を取ります。同じく深呼吸。息を吐いたときに、腰が沈むような感覚が得られたらいい感じに効いている証拠です。
※ちなみに〜腹筋・背筋の筋トレに注意!
ヘルニア対策として昔からよく語られるのは「腹筋・背筋を鍛えましょう」ということです。もちろんその通りですしとても大切なことですが、ここで言っている腹筋・背筋とは、さっきお話したインナーユニットのこと。
こういった、一般的な腹筋・背筋の筋トレで鍛える筋肉とはまた別なんです。

この筋トレ法はNG!
この筋トレ法、じつは腰にけっこうな負荷をかけますから、ヘルニアのかたは控えるべき。 下手をすると改善どころか悪化させてしまいます。負荷の大きいトレーニングは禁物ということですね。
また同じ理由でハードなスポーツ、とくに腰をひねるテニスやゴルフは控えたほうが良いでしょう。
まとめ
いかがだったでしょうか?ヘルニア対策に運動は必要ですが、適度・適切、また専門家の指導のもとおこなうことが1番大切です。
この記事で得ていただけた情報も大いに参考にして、根本治療に役立ててください!

たの

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