膝が痛い?!TVでも良く目にする半月板損傷とは?
半月板損傷という言葉を聞いて、あなたは何を思い浮かべますか?
わたしは、スポーツ選手の怪我を思い浮かべます。
2016年は4年に一度のスポーツの祭典オリンピックがブラジルのリオデジャネイロで開催予定です。先日、リオデジャネイロが非常事態宣言を出してちょっとだけ先行き不安ですが、是非開催して頂き世界最高峰のスポーツを観戦したいものです。
今回のリオデジャネイロオリンピックの競技種目の中にも半月板損傷が発症しやすいとされるスポーツがいくつもあります。サッカー、バレーボール、テニス、陸上競技、柔道などです。ほとんど競技種目で半月板損傷を患う可能性があります。
例えば、サッカー選手の本田圭佑氏や、長友佑都氏も半月板損傷を患った事があります。常に動き回って膝にかなり負担がかかっていると想像することが出来ます。
では、具体的に半月板損傷とはどういう症状なのか見ていきます。
半月板損傷とは、膝の半月板が損傷すること
そのまんまです。
まずはこちらの図を確認して下さい。

人間の膝です。膝は足を動かすときに必ず使うことになるとても重要な部分です。歩いたり、立ったり、座ったりする時、膝を伸ばしたり、曲げたりしていますね。
日ごろなんの痛みもなく、膝が動いているのは上記の様々な組織が円滑に動いているからです。
では、続いてこちらの図をご覧ください。半月板には内側半月板と外側半月板の2つの半月板があります。

半月板はよく見ると三日月のような板に見えますね。
半月板は、関節とは異なりコラーゲン繊維が豊富な線維軟骨で作られていて、衝撃を吸収するという重要な役割があります。膝を曲げたり伸ばしたりする時、膝が痛くないのは半月板がクッションになって衝撃を吸収してくれているからです。
いろんな状態がある半月板損傷の種類
では、この半月板が損傷する半月板損傷にはどのような種類があるのか見ていきます。
外縁剥離損傷

周囲の関節包などと結合している外縁部分が裂けるように剥離した状態です。
縦断裂損傷

半月板の一部が縦方向に裂けた状態です。断裂部分が外側に近く断裂した範囲も短い場合は比較的回復は早くなります。
しかし、内側に近い部分や外側でも断裂した範囲が長い場合は、回復に時間がかかったり手術が必要な場合があります。
横断裂損傷

半月板の一部が横方向に裂けた状態です。横断裂は内側より発生するため、断裂部分は縫合しても改善されません。
その為、切除手術が行われることになります。
水平断裂損傷

半月板の一部が上下2枚にわかれたように、水平方向に裂けた状態です。比較的高齢者に見られる損傷形態です。
半月板損傷は、内側の半月板と比べて外側の半月板の方が発生しやすいと言われています。
「あ、膝が痛い!」半月板損傷のよくある症状
半月板は膝のクッションとして円滑な動作をサポートしています。しかし、半月板損傷になってしまうと円滑な動作ができなくなります。
半月板損傷になると、階段を上り下りする時、あるいは膝を深く曲げる動作や膝を完全に伸ばした状態にしようとする時に膝に痛みが発生します。また、膝を伸ばしたり曲げたりする際に何か引っかかったような違和感を感じることもあります。
そんな半月板損傷の症状の中に、ロッキングと呼ばれる症状があります。ロッキングとは、激しい痛みとともに急に膝が動かなくなる症状です。初めて経験したときには、驚きと痛みでパニックになってしまう方もいらっしゃいます。しかし、このロッキングは決して珍しい症状ではありません。
半月板損傷によるロッキング
ロッキングは、半月板の損傷が原因で起こります。損傷した半月板が、関節に引っかかり起きると言われています。ドアストッパーがあることでドアが開かなくなるように、半月板が引っかかり膝関節の動きを妨げます。
ロッキングは、膝に強い衝撃や負担がかかることで発生する可能性があります。性別や年齢を問わずに起こる可能性があります。いきなり痛みとともに膝が動かなくなりますが、そのまま膝が動かなくなるということはありません。
落ちついてゆっくりと曲がる方向に膝を動かしてみます。半月板は、膝の関節に挟まっているだけなので、何度か動かすと外れてくれます。
慢性的な半月板損傷で関節炎、そして・・・
半月板損傷が慢性的な状態になると、関節炎を生じることがあります。さらに、膝関節に水や血液が蓄積したり、血腫や水腫などが合併症状として表れるケースもあります。
このような状態になると、見た目にも変化が現れるようになります。腫れたり、膨張したり。
更に症状が悪化すると、損傷した半月板をかばいながら動いているため、大腿四頭筋(だいたいしとうきん)の萎縮が進行します。
そして、更に更に症状が悪化すると、断裂した半月板がめくれて利米、大腿骨(大腿骨)や脛骨(けいこつ)の関節の軟骨にもダメージを与えていまいます。
そして、骨が変形する原因となってしまうのです。
あなたのその動作が半月板損傷の原因かも
半月板損傷は文字通り半月板を損傷する事で発症しています。
膝は、体の中で負荷のかかりやすい場所の一つです。片方の足に体重の10倍以上の負荷がかかることもあり、当然半月板への負担も小さくはありません。
半月板損傷は、膝関節に大きな外力が働き関節可動範囲を超えた屈曲(くっきょく)や無理な旋回力などが膝関節に働いたときに、膝内部の半月板が損傷してしまう疾患です。
激しいスポーツをしていて膝に負担をかけすぎると半月板が負担を吸収仕切れなくなり、半月板が損傷することになります。特に、ジャンプをすることが多いスポーツでは、半月板を損傷することが珍しくありません。
また、加齢が原因で半月板を損傷することもあります。年齢を重ねることで、軟骨が柔軟性を失ったりすり減って薄くなるように、半月板も柔軟性を失い、すり減って薄くなっていくことがあります。
その為、日常の動作をしているだけでも半月板を損傷してしまうことがあるのです。
半月板損傷のまとめ
では、最後に半月板損傷のまとめを紹介しておきます。
半月板損傷とは
半月板損傷とは、膝でクッションの役割をしている半月板が損傷してしまう膝の疾患です。
半月板損傷の症状
半月板が損傷することにより、膝に痛みを感じたり、違和感を感じます。また、ロッキングと呼ばれる症状が現れることがあります。
症状が進行すると、関節炎、血腫、水腫などの症状が現れることもあります。
半月板損傷の原因
半月板損傷の原因は、膝への過度な負荷が原因や加齢が原因と言われています。


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