パニック障害と過呼吸は違うの?
パニック障害と過呼吸に違いはあるのでしょうか?
「エッ、違いがあるの?」
「一緒かと思った」
と感じる方も多いと思います。
どちらにもそれぞれ特徴があり症状や原因、自分がなってしまった時の対処法、病院に行くなら何科を受診すればいいのかなどをご説明してまいります。

パニック障害と過呼吸を見分けるポイント

1.パニック障害と過呼吸の症状はなにが違うのか?
パニック障害と過呼吸の違いは、私が今まで診てきた経験上、初めて過呼吸を起こし「また過呼吸になったらどうしよう」という予期不安からパニック障害になる方が多いように感じます。
参考:「思い込み」が原因でパニック障害が起こるのか?それとも関係ないのか
パニック障害は、過呼吸と合併して起こることもある為、状態のひどさから言えば、
過呼吸<パニック障害でしょう。
それでは、それぞれ細かく特徴を見ていきましょう。
1-1.過呼吸の症状の特徴
過呼吸とは、別名、過呼吸症候群、過換気症候群、神経性呼吸困難とも呼ばれる病気です。
病名からも分かるように、過剰な呼吸、換気が過度に行われている、ストレスが原因で呼吸が苦しい状態なのかな?
ということを想像して頂けるのではないでしょうか。
文字通り、過呼吸は息苦しい、呼吸がうまく吸えない状態から、酸欠状態となり呼吸困難になります。
死ぬのではないかというほどの息苦しい状態に合わせ、頭痛、めまい、手の痺れ、頭がぼんやりする、失神などの症状があらわれます。
1-2.そもそも違いがあるのか?
パニック障害と過呼吸は、同じという意見もあります。
先生によって見立てや見解は違う為、なにが正しいかという判断は難しい部分があります。
私が治療を行う時には、パニック障害も過呼吸もアプローチ方法はほとんど一緒の為、どちらであろうとそれほど気にはしていません。
2.パニック障害と過呼吸の原因の違いとはなんなのか?

◆過呼吸の原因は、精神的なストレスによるものが一番多く、不安、恐怖、緊張、過度のストレスなどが原因としてあげられます。
睡眠不足や過労などでなる場合もあります。
◆パニック障害の原因は、精神的なストレスに加え、性格、遺伝、生活習慣など様々な原因が複合して起こります。
パニック障害の原因を詳しく知りたい方は「思い込み」が原因でパニック障害が起こるのか?それとも関係ないのかをご覧ください。
2-1.過呼吸になるメカニズム
人間は呼吸をする時、酸素を吸って二酸化炭素を吐き出しています。
呼吸が早くなると、
↓
二酸化炭素が不足する
↓
二酸化炭素不足をストップさせようとする為呼吸を止めようとする
↓
息苦しくなり過呼吸になる
ストレス以外では、スポーツでなることがあり、運動している最中や運動後になることがあります。
激しい運動による呼吸の乱れ、興奮した後のクールダウン時に苦しくなってきて過呼吸が起こることがあります。
3.パニック障害と過呼吸の対処法の違い

3-1.過呼吸になった時の対処法
過呼吸の対処法は、以前はペーパーバックと言い紙袋を口に当て吐いた空気を再度口に吸い込む方法が推奨されていた時期がありましたが、現在は推奨されておりません。
もし発作が起きても、1時間以内にはおさまりますし死ぬようなことはないのでご安心ください。
3-1-1.呼吸を吐く方に意識を向ける
息苦しくなると、苦しいのでついつい息を吸わなくてはと思い必死で吸おうとしてしまいます。
この時、吸うのではなく、吐くほうに意識を向けることで状態が落ち着いてきます。
1秒吸って、2秒吐く、落ち着いて来たら2秒吸って4秒吐くといったように呼吸を行ってみて下さい。
3-2.パニック発作が起こった時の対処法
3-2-1.意識を他に向ける
不安や恐怖感が強い状態の時に、不安をなくそうと意識をしても不安をなくすことは難しいと思います。
ピンク色の像を想像しないでくださいと言われても、像を想像してしまうように、意識するほど気になってしまうものです。
お尻の穴を引き締めるなどして、意識を他に向けてみて下さい。
3-2-2.そのうち終わると冷静に待つ
発作が起きても1時間以内に必ずおさまります。
不安な気持ちになるのは分かりますが、そのうち終わると自分に言い聞かせ冷静に発作が終わるのを待ちましょう。
3-2-3.安全を確保しておく
デパートなどの広い場所で、発作が起きてしまったらどうしようと心配になる方も多いと思います。
出入り口の場所や休める所、窓の場所などを確かめ、いつでも逃げたり、発作が起きても安全を確保できる場所を頭にいれておくと安心できますし、不安な要素を減らす事ができます。
混雑している場所は、酸素が薄く息苦しくなる場合があるので避けましょう。
専門の病院について

それぞれ何科、どんな医療機関に行けばいいのか?
パニック障害や過呼吸にになった時、自分はどこの病院に行ったらいいのか迷いがちです。
そもそも、私は精神的な問題でパニック障害や過呼吸になっているのか?
それとも違うのか?
いきなり、精神科や心療内科に行くのには抵抗があると方も多いでしょう。
自分は、パニック障害、過呼吸症候群なのかと感じたら、まず第一に体に異常がないか検査することをオススメします。
まずは、内科や循環器に行ってみましょう。
異常がなければ、精神科や心療内科の受診をすすめられると思います。
病院での治療は、薬物療法がメインになります。
病院によっては、カウンセラーがいる所もあるのでお話しを聞いて欲しい方はカウンセリングのある病院を探されるのもいいでしょう。
今回の記事のまとめ
パニック障害と過呼吸の違いを理解して頂けたでしょうか?
どちらになっても、とてもつらいものです。
私も、3年前に1度だけ過呼吸になったことがあります。
息を吐く方に意識を向け落ち着かせようとしたのですが、冬場で外にいて寒かったこともありまだ苦しいのですが、車で休もうと思い歩きだしたら意識を失い床に顎を打ちケガをしてしまい、救急車で運ばれ顎を縫った経験があります。
知識があったのにも関わらず,甘く見ていて痛い目にあいました。
冷静に対処すれば、私のような目に合うこともありません。
患者さんの気持ちが分かるいい経験になりましたが、発作が起きた時は冷静に対処しましょう。


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