お子さんが泣きながら股関節の痛みを訴えて来たことはありませんか?
股関節は両側の足の付け根にある大きな関節。お子さんの場合は股関節の可動域の限界がわからずに無理をしたり、成長過程ということもあり、大人とは違った病気が原因になることが多くなります。
子供の股関節の痛みは、6つの病気の可能性があります。子供の股関節の痛みの原因は、こんなにもたくさんあったんですね。
この記事では、6つの病気について徹底解説していきます。お子さんの股関節の痛み、早く楽にしてあげましょう。
Contents
子供の股関節の痛いなら6つの病気を疑え
お子さんが股関節の痛みを訴えたならば、以下の6つの病気の疑いがあります。
- 単純性股関節炎
- 成長痛
- グロインペイン症候群(鼠径部痛症候群)
- ベルデス病
- 化膿性股関節炎
- 大腿骨頭(だいたいこっとう)すべり症
まずは、お子さんの股関節の痛みの原因を見つけて、対処していきましょう。
お子さんの股関節の痛みの原因かもしれない6つの病気について、それぞれの特徴、原因、対処法(治療法)をまとめました。
1.単純性股関節炎(3~10歳ごろに多い)
単純性股関節炎は股関節に炎症が起きる病気です。痛む足をかばい、足を引きずっていたり、がに股気味になっているのが特徴です。
風邪をひいたあとや、激しい運動をしたあとに、膝や股関節の痛みがあります。足の付け根から膝(ひざ)あたりまでの痛み、微熱が出る場合もあります。
1-1.単純性股関節炎の原因
単純性股関節炎の原因ははっきりわかっていません。風邪を引いた後に発症しやすいことから、ウイルスやケガ(外傷)に対する自然な免疫反応と考えられています。
1-2.単純性股関節炎の対処法(治療法)
安静にしていれば1~2週間で自然に治ります。痛みが酷い場合は、病院に行きましょう。抗生物質や鎮痛剤を処方してくれます。
2.成長痛(3~10歳くらい)

成長痛は夕方から夜に痛むのですが、30分から1時間ほどで痛みが引くことが多いです。痛みは不定期に繰り返すのが特徴。3~10歳くらいに多くみられます。
成長痛の痛みは、股関節から足のつけ根、膝の周り、ふくらはぎ、太もも、足首と多岐にわたります。
ちなみに、成長痛という病気の明確な定義は存在しません。ですが、成長期の子供に発症する痛みを伴う病気の総称として使われています。
2-1.成長痛の原因
成長痛の原因として考えられるのは、疲労とストレス。昼間に走り回ったりすることで足の疲労が起こり、夜になると痛むことが多くなるのです。
ストレスとしては、不安が大きな要因になります。下に兄弟が出来てママが取られてしまう不安や、幼稚園や小学校に入園、入学などの環境の変化への不安、友達関係の問題などです。
2-2.成長痛の対処法(治療法)
対処法としては、安静にして十分な休息をとること。足をさすってあげたりして、気持ちの不安を取り除いてあげることも大切です。
痛みが治まらない場合は、湿布を貼るのも有効です。
3.グロインペイン症候群(鼠径部痛症候群)
グロインペイン症候群とは、サッカー選手の職業病とも言われている病気です。中田英寿さんや中村俊輔さんが発病して話題になりました。
サッカーをやっているお子さんに多い病気で、股関節のまわりや足の付け根に痛みが出ます。
グロインペイン症候群は、鼠径部痛症候群(そけいぶつうしょうこうぐん)という名前でも呼ばれています。
3-1.グロインペイン症候群の原因
グロインペイン症候群の原因はボールを蹴るときに、股関節に負担をかけてしまうことです。特に足の内側でボールを蹴るインサイドキックをするとなりやすいです。
また、足首などを怪我した時に、股関節に負担がかかるのも原因の一つになります。
3-2.グロインペイン症候群の対処法(治療法)
まず安静にすること。そして医療機関での治療や、スポーツマッサージなど専門的な治療が必要になります。
最近ではリハビリが終了すると同時にスポーツ復帰に向けて専門的なリハビリが出来る、アスレチックリハビリテーションがあり、こちらもおすすめです。
4.ベルデス病(4~8歳ごろに多い)
ベルデス病は、2~12歳(4~8歳ごろ)の男児に多い病気。外傷がないにも関わらず、歩き方がおかしいのが特徴。
股関節部分や大腿骨近辺に痛みを伴い、ほとんどの場合、片側に発症しますが両側の場合もあります。
4-1.ベルデス病の原因
原因は、股関節を構成している大腿骨の骨頭部分への血流が悪くなることです。ですが、なぜ血流が悪くなるのかはわかっていません。
4-2.ベルデス病の対処法(治療法)
おおよそ3年程で自然治癒するのですが、股関節に後遺症が残る場合が多い病気なので注意が必要です。
痛みがひどい場合は、器具による牽引や手術が必要になることもあります。
5.化膿性股関節炎(いずれの年齢にもあり、乳幼児にも多い)
化膿性股関節炎は、赤ちゃんや幼児のおむつ交換時に股関節を動かすと、痛がり大泣きします。
風邪など特別な原因がないのに元気がなかったり、発熱、発汗、食欲不振などの症状があらわれるのが特徴です。
5-1.化膿性股関節炎の原因
主に黄色ブドウ球菌という細菌が股関節内部に入り込んで化膿することで起こります。
5-2.化膿性股関節炎の対処法(治療法)
できるだけ早く医療機関で受診しましょう。
治療は原因となる菌に効果のある抗菌薬を投与して、排膿(はいのう)したり、針を体に刺して内部の液体を吸い取る穿刺(せんし)をしていきます。また、緊急手術をすることもあります。
6.大腿骨頭(だいたいこっとう)すべり症(10~15歳ごろに多い)
大腿骨頭(だいたいこっとう)すべり症は、太ももの骨の股関節側である大腿骨頭が後下方にずれる(すべる)病気。成長のスピードが増す10~15歳ころの、肥満傾向の男児に多いのが特徴です。
あの楽天のオコエ選手もこの病気で、中学二年生の時に大腿骨頭すべり症を発症しています。
外傷をともない股関節の強い痛みがおこる急性型と、徐々に股関節の痛みが強くなる慢性型があります。
6-1.大腿骨頭すべり症の原因
明らかな関連は証明されていませんが、成長ホルモンと性ホルモンの異常が原因と考えられています。また、軽い外傷や、肥満による体重増加なども原因になります。
6-2.大腿骨頭すべり症の対処法(治療法)
治療法としては、手術が必要になります。金属製のネジで固定したり、骨を切る場合もあります。
まとめ
子供の股関節が痛むときに考えられる、6つの病気について徹底解説しました。
だいだいが、単純性股関節炎、成長痛、グロインペイン症候群(鼠径部痛症候群)、ベルデス病のどれかになると思います。
これらの病気ならば、きちんとした対処法や治療をすれば大丈夫です。
化膿性股関節炎や大腿骨頭(だいたいこっとう)すべり症の場合は、手術も必要になるので早めの発見が大切です。
お子さんがあまりにも痛がるようであれば、早めに病院に行ってくださいね。

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