どんなとき、腰痛で歩けなくなるか?
「グキッ!!」
とつぜん腰に強烈な痛みが走って歩けない!動くどころか声を出すのも、ままならない‥。こんな状態になったら、本当に辛いものです。いったい何が起きたのか?これはほとんどの場合が『急性腰痛症』と呼ばれる症状。いわゆるぎっくり腰です。
くしゃみや、かがんだ姿勢。本当に日常のちょっとした動作によって起こり、ときには腰だけでなく、おしりや脚にまで痛みの範囲が伸びることもあります。
“魔女の一撃”。何が原因でぎっくり腰になる?
なぜ、ぎっくり腰になってしまうのか?それははっきりと分かっていないことも多く、人の数だけ原因があると言われます。ドイツでは別名“魔女の一撃”などとも呼ばれているんです。さも正体不明の悪い魔術にかかったような呼び名ですね。
しかし主には悪い姿勢・習慣や骨格の歪みなどで、背骨を支えている筋肉に負担をかけ続けて疲労させてしまうため。それが溜まりに溜まり‥。もうダメ!という状態の時にふと身体をひねったり、かがんだ姿勢を引き金にして起こります。
そう。一見、とつぜん襲ってくるように思えますが、知らずのうちに溜まった疲れにより筋肉が炎症を起こしてしまい、それが激痛となって現れているのです。
基本はやっぱり、正しい姿勢
筋肉にムダな負担をかけないための基本。1番大切なことは良い姿勢です。「良い姿勢とはどういったものか?」それは壁に沿って立ってみることでチェックできます。

この写真の4つの赤点
- 後頭部
- 肩甲骨
- おしり
- かかと
が壁に着いている状態。これが背骨が正しいラインを描き、身体に余分な負荷がかかっていない良い姿勢です。(関連記事:辛い腰痛を今すぐ簡単に緩和するための5つの方法!【画像解説付き】)
さらには、人間は立っているよりも座ったときに腰の負担が大きくなります。長時間のデスクワーク・運転のさいには1時間に1回は立ち上がってストレッチなどしてあげることが大切。そしてもちろん座る姿勢によっても負担は全然違います。椅子には深めに腰掛けて背筋を伸ばし、頬杖をつくなどはやめましょう。
対処法は?
ぎっくり腰は筋肉の炎症と言われており、じっさい腫れや熱を帯びたりしています。ですから基本はまず安静。これが1番のクスリです。体勢はどのようにいれば良いか?これはもうひとえに「あ、これがラクだわ‥」と自分で思える体勢が1番。
オススメを挙げるとしたら、仰向けに寝てひざ下に座布団などを挟み、ひざを曲げた格好。外出先などで横になれないときは、壁に寄りかかり座ります。
そして炎症なんですから、まずは冷やして痛みを和らげるのが基本。3〜5日ほど冷湿布などで冷やしてあげたのちに次は温めてあげます。温めることで血行が良くなり、疲労物質の排出を促します。
冷やす/温めるの切り替えのタイミングは自己判断が難しそうに思えますが「あ、こっちのほうが気持ち良い‥」と感じるほうで大丈夫。自分の身体の感じ方に従えば、悪化するようなことはありません。
念のためこちらもチェック!その腰痛、深刻な病気のサインかも?
ぎっくり腰であれば、以上の対処法によって1週間程度でで痛みは治まります。
ぜんぜん治らない。何度も繰り返してしまう‥。もしくは
- 吐き気をともなう
- 尿が出にくい。排尿時に痛みがあったり血尿が出る
- 寒気・発熱がある
- しびれがある
- ひざより下まで痛みがある
などの症状がある場合はほかの病気の可能性がありますため、すぐに病院へ行き医師の診断を受けることがオススメです。
以下には、腰痛の原因として考えられる代表的な病気を挙げてみます
1.椎間板ヘルニア
背骨は24個の骨(椎骨 ついこつ)が連なって構成されているのですが、この椎骨たちの間に“椎間板”と呼ばれる軟骨のクッションがあります。このクッションが変性して飛び出てしまい、背骨を走る神経を圧迫して痛みやしびれを引き起こすものです。

背骨のイメージ。24個の骨が繋がってできています
2.腰椎分離症・すべり症
腰椎分離症とは、椎骨の一部(椎弓 ついきゅう)が骨折してしまった状態です。
そしてこの骨折部分が1つ1つの椎骨をつなげて背骨をつくる役割をしています。そのため継ぎ目が不安定になり、腰椎がズレてしまいます。これが“すべり症”です。年配者や、成長期の10代に激しいスポーツを行うことによって起こることが多く、疲労骨折の一種です。
3.脊柱管狭窄症 せきちゅうかんきょうさくしょう
背骨の内部には、神経が通る穴があいています。これが脊柱管です。この穴が狭くなってしまい中の神経を圧迫してしまうことで痛みやしびれを引き起こします。生まれつきの場合もありますが、加齢によるものが多いです。
立った姿勢のときに1番脊柱管が狭くなるため、前かがみになると楽になる。といった特徴があります。
4.内臓疾患によるもの
ほか、内臓の疾患が腰痛に現れているケースもあります。以下のような症状が見受けられたら、整形外科だけでなく対応する科の医師に診てもらうのが良いでしょう
5.生理のときに痛くなる。不正出血を伴う
子宮の疾患が考えられます。子宮筋腫内膜症・卵巣のう腫など
6.胃痛を伴う
空腹時に起こる場合は十二指腸かいよう。発熱と一緒に右わき腹が痛くなる場合は虫垂炎(盲腸)などが考えられます
7.背中の右側が痛い。だるさがある。顔が黒ずんでいる
肝臓疾患の可能性があります。肝硬変・肝臓がんなど
8.ジャンプしてみると着地時に痛みが走る。血圧が高い。横になっても楽にならない
腎臓が原因の場合があります。水腎症・腎不全・腎臓結石など
まとめ
いかがでしたでしょうか?腰痛は今や現代人にとってあまりにも日常的なため、我慢してやり過ごしてしまうことも少なくありません。しかし、じつは怖い病気が隠れている場合もあります。「これちょっと、アカンやつかも‥」と感じたら早めに、まずは原因を知って安心するためにも、然るべきところで見てもらうのが1番です。

たの

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